うつし世は夢、夜の夢こそまこと

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Jo-yu Chen  陳若玗 / Stranger / OKeh-records・Sony

d0157552_0191689.jpgJo-yu Chen 陳若玗 / Stranger / OKeh-records・Sony
Jo-yu Chen (p)
Tommy Crane (b)
Christopher Tordini (ds)
Kurt Rosenwinkel (g) 3,6,10
リリース2014.2.10




台湾のピアニストJo-yu Chen(陳若玗)の新譜です。
Kurt Rosenwinkelがゲスト参加で入手、、、いちおう、視聴して。
Jo-yu Chenは英国のジャズサイトで何度か見聴きしていたピアニスト。端正なメロディや独特なスタイル、タイム感?から、クラシックがベースでAaron ParksやVijay Iyer、ちょっとJason Moranを感じてましたが、、、師事はJason Moran, Sam Yahel etc.だそうです。本盤ではKurt Rosenwinkelが3曲に参加です。




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1曲目の「Mon Cher」がスローで、水面が揺れるようなテンポでメロディも深いエキゾチックさ。タムかなぁ、、かなりコンプされて響線音も目立つパルシブなサウンド。「Wolfman」はパルシブなドラムと呼応するピアノで動き、スクリャービンからインスパイアされた演奏。1、2曲目の静&動の対比は鮮やかです
続く「Castle」はKurt Rosenwinkelとのユニゾンから入るダークなコンポジション。ハイライトはKurtソロ、ちゃんとスポットライトを充てたミックスがされてます。「Fragments」難しい・・・・ ここまで、どの演奏もベタッとしたところがない。音数もかなり少ない。アルバムタイトル曲「Stranger」はメロディもたって聴きやすい演奏で、タッチは丁寧でしっとりしてますが、かなり低体温。タイトルを思うと彼女の切ないもろもろが伝わってくるようです。「The Pirate」のカートは弾きまくってますけど、ルーユー・チェン嬢の返しは醒めた音からのツレない感じって.....「Art of Darkness」が私的なベスト・トラックでしょうか。曲、演奏ともわりと展開していきます、、Aaron Parksっぽい感じもしますが。

ラストの京都 高台寺にインスパイアされた「Foliage at Night」とか聴くとクラシックの素養がかなりあるんだなぁとか思います。

エンジニアはJames Farberで、典雅なアコピなとドラムスのタム?が薄めにコンプされ、ミックスした変わったサウンドです。パルスのような効果なのか最近よく聴く感じ。バスドラはエアー感ある音になってます。

メジャーデビュー盤となるようですが、ドタバタしてなくてベタ付いてこないところは芯の強さ、頑固さを感じるピアニスト。聴き終わると、、、ルーユー・チェンが表現している『Stranger』観は伝わってくる仕上がりだとおもいます。




演奏曲
1.Mon Cher
2. Wolfman
3.Castle
4.Fragments
5.Stranger
6.The Pirate
7.Interlude
8.Song for Ryder
9.Happy New Year
10.Art of Darkness
11.Foliage at Night(dedicated to Kodaiji Temple, Kyoto)
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by kuramae2010 | 2014-04-26 00:33 | jazz | Comments(0)

Brian Blade & The Fellowship Band / Landmarks / Bluenote

d0157552_0152728.jpgBrian Blade & The Fellowship Band / Landmarks / Bluenote
Jon Cowherd (p)
Myron Walden (as, bass clarinet)
Melvin Butler (ss,ts)
Chris Thomas (b)
Marvin Sewell , Jeff Parker (g)
Brian Blade (ds)
リリース:2014.4.29




3年程前に知ったBrian Blade & The Fellowship Band。
手持ちが3枚あり、最近はセットして聴くことはあまりないんですが、「Brian Blade」は海外Netラジオではかなり流れる人です。

メンバーでは、やっぱりKurt Rosenwinkelが抜けました(単に調整がつかなかったのか、元々ゲスト?...)。はじめて聴いた当時も書いた記憶があるのですが、違和感を憶えたのがKurt。 あまり好きじゃないけど、バンドのベクトルにハマってたのはMyron Walden。Jon Cowherdは鉄板ですね。

どこか過去盤とも共通した Fellowship Bandならではの世界観があって、「Landmarks」はコンセプトにBrian BladeやJon Cowherdの通過点or地点や感情を表現したようです。
聴いたのがギター用のスピーカーだったので低めの低音がほぼ聴こえてない状況。。


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1曲目は、心配が襲うへんなイントロ「Down River」から、タイトル曲「Landmarks」は重厚な2管ハーモニーから天国へ上がる階段のよう....Jon Cowherdの曲。Composition Jazzの極み。収録されてるので多くがそうなのかもしれませんが、緻密です。「State Lines」はMilesのミュートを彷彿とさせる短いインタールード。「Ark.La.Tex.」はBrian Blade自身のルーツからの曲。「Shenandoah」は故郷の教会、ゴスペル音楽からか・・・「He Died Fighting」Myron Waldenのアルトが勇猛果敢。
13分ちょっとの「Farewell Bluebird」はカフェの店名だそうで、起承転結がある構成・演奏。楽曲提供をしているJon CowherdとBrian Bladeはニューオリンズで出会い、以来刺激を受けつつ、最愛の友人でもあるそうです。
ラスト曲の「Embers」は親しみやすいメロディ、妙に明るい演奏で次の作品へ続く、みたいなニュアンスがある気がしました。

Brian Blade & The Fellowship Band を聴くと思うのが、靄った夜と朝のあいだの時間、起きてると次の日が辛いなあと思う時間に太陽がのぼってくる情景。瞑想から抜けてイクような、飛んでいくような....



「Landmarks」はBluenoteがプロモーションの一環で、4月20日からNPRでアルバム全音源を提供。既に海外・国内でたくさんレビューがありました。昨年12月にはライヴ音源がUPされていて、こっちの音源は熱いし、叩くっ、プッシュしまくります。ライブ音源はイイ・・・アルバムを買うと"Pass"が付いててアクセスするとLive音源が聴けるとかも面白そうです。盤だけでは収まらないマジソロとかはLive音源へという。

CDの到着が楽しみですが、アナログ盤のリリースもあります。


First Listen: Brian Blade & The Fellowship Band, 'Landmarks'   

演奏曲
1. Down River
2. Landmarks
3. State Lines
4. Ark.La.Tex.
5. Shenandoah
6. He Died Fighting
7. Friends Call Her Dot
8. Farewell Bluebird
9. Bonnie Be Good
10. Embers
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by kuramae2010 | 2014-04-26 00:17 | jazz | Comments(0)

John Escreet / Sabotage & Celebration / Whirlwind Recordings

d0157552_0262831.jpgJohn Escreet / Sabotage & Celebration / Whirlwind Recordings
John Escreet (piano,rhodes)
David Binney (as,ss)
Chris Potter (ts)
Matt Brewer (b)
Jim Black (ds)



Adam Rogers (g) tracks 5,7
Louis Cole and Genevieve Artadi, Nina Geiger (Vocals) track 7


String Section
Fung Chern Hwei(vn)
Annette Homann(vn)
Hannah Levinson(vl)
Mariel Roberts(cl)
Garth Stevenson (b)

Brass section
Shane Endsley (tp)
Josh Roseman (tb)
リリース:2013.12







John Escreetの2013年12月リリースの盤です。リーダー盤では「Exception To The Rule」以降、初かもしれません。最近知って入手したところ。
手持ちにこれまでリーダー盤含めてたぶん10枚ほどありますが、とんでもないセンスとリーダー盤では苦悩が滲む?29歳のブルックリン在住の英国人ピアニスト。僕自身これまで聴いて好きなアルバムは初期のものが多く、最近のはあんまり聴かない。でも、"気になる"人です。


アルバムタイトル曲の「Sabotage and Celebration」は前半と後半でガラッと変わります。前半は、もろフリーで、このパートの面白さがわかんないというか、ドローンとしたストリングスがあって冒頭からいっせいのせで、はじまる即興の意味がわからない2014年春。ただ、この録音・作曲当時、オバマ大統領が当選。さらにハリケーン「サンディ」でニューヨークの都市機能が1週間麻痺して苛々が頂点にあったとか、ないとか。
で、演奏後半は現代ジャズの最前線に位置する感性と言い切ります。このアルバムで一番好きなパート。フリーからコンテンポラリーへ集約してそのままぶっ飛ぶフローがめちゃかっこいい。弾きまくる、押し捲るエスクリートの勢いは表現の生命線で、他ジャンルのナンかをどうこうしてる、みたいな面倒くささがない。Jim Blackをペシペシな薄い音にしたミックスも効いてる。Chris Potterのフレージングもアーシーで攻め上げたプレイも流石。この後半パートはエスクリートの真骨頂とも言える魅力に溢れた演奏。欲を言えば同世代のギタリストやホーン奏者も参加してほしかったところ。


「The Decapitator」も、らしいけどwが、売れること考えてないよなあ、この人。途中で演奏がシフト。どっかに70年代フリーへの共感が強いのかな。。目が覚める左手のアタックがときにうざいw
「Laura Angela」はAdam Rogersが参加する親しみやすいコンポジション。スケールで上下するんでしょうか?? Chris Potterのソロは冴えてるし、フレーズに奇をてらったところがなくいい。ローズの内省感も味わい深い響き。
「Animal Style」はモラン(モンクも)を彷彿とさせる冒頭ピアノ、ソロはギリギリのバランスで、ちょっと崩れていきそうでいながらタッチは強靭。サックス ユニゾンとのコントラストが鮮やか。曲想は途中変わりますが、サックス陣は厚みあるソロを聴かせます。


エスクリートのコンポジションですが、、素人感では1曲の中に要素を詰め込みすぎな感じがしないでもない。ライブとかで1曲あたり2,30分演るんならありなんだと思いますが、ちょっとせわしい。そのせいか、アルバムの統一感も希薄になる要素が多々ある感じもします。
でも前回の「Exception To The Rule」よりもいいかも。エンジニアはMike Marcianoでセンター厚め。・・・次回作はいったんDavid Binneyと離れてアルバム作りをしてもいいんじゃないかとも感じます。ラスト「Beyond Your Wildest Dreams」は途中、曲想が変わってフロント2管、ボイス&ストリングスも加わり、The STORYの進化系じゃないかと思います。


やっぱり、John Escreetはまったく小洒落てなく、不器用で時に空回りしてんのかもしれませんが、変化球やハイブリッド球ではなく、真っ向からいくしかない立ち位置からの『いったるで~』っていうテンションとかスピリッツを感じます。



演奏曲
1. Axis of Hope
2. He Who Dares
3. Sabotage and Celebration
4. The Decapitator
5. Laura Angela
6. Animal Style
7. Beyond Your Wildest Dreams




saxofonista Will Vinson e o pianista John Escreet fazem apresentação única em São Paulo
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ぐぐると最近はウィル・ヴィンソンとも演りはじめたようです。
Sunnysideから5月にJohn Escreet – Sound, Spaces and Structures (verwacht half mei) リリースされるようです。メンツはEvan Parker, Tyshawn Sorey, John Hebert。
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by kuramae2010 | 2014-04-23 00:42 | jazz | Comments(0)

Robert Glasper / Mood / Fresh Sound New Talent

d0157552_0554145.jpgRobert Glasper / Mood / Fresh Sound New Talent
Robert Glasper (p)
Bob Hurst ( b)
Damion Reed (ds)

Bilal(vo)
Mike Moreno(g)
John Ellis(ts)
Marcus Strickland(ts)
リリース:2004




以前、ログしたかもしれませんが、Robert Glasperの「mood」。
これが初リーダー盤だったんですね。

アルバム1曲目の「処女航海」はハンコックの名曲ですが、これにBilalボーカルでRadio headの「Everything in its right place」を合体。Bilalのボーカルパートは本来は"kid A,kid A,kid A"から

"意識のカオスの中から目覚めるKid A" とか"すべてのものは、正しい場所にある"みたいな感じみたいです。Robert Glasperの意識を代弁するというかナニか。。

この演奏でRobert Glasperは、主メロ「Everything in its right place」も奏でつつ、時に「処女航海」の"左手分数コード"をさらに細切れにして(間違ってるかもですが、、、)、Radio head曲にコンピングしてます。「処女航海」から、Radio head「Kid A」をリンクさせることでメッセージを鮮鋭化するという、Glasperのセンスが斬れてた。。入手した当時はボーっと聴いてましたが。。

「Lil Tipsy」の入りや、わりと正攻法で駆け抜ける「Alone Together」のRobert Glasperのトリオ演奏の俯瞰性というか攻め方、揺らぎ方の落差が凄い。アルバムタイトル曲「mood」のMike Morenoも入手当時は別段気に留まらなかったのですが先日、なにげなく聴いてると、この演奏では「モレノ登場!」ってアナウンスあったかぐらいの存在感で、個性が際立つ。私的に現代ギタリストTOP5に入るスタイリスト。2003年時点でもカートとは視点がかなりちがうと思います。

もう1曲「Blue Skies」のソロピアノパート。連弾かと思うテクニックとドライブ感。トリオ演奏のスピード感は爽快。エンジニアはJoe Marcianoです。スタイリッシュなmood。



Robert Glasper (p) ,Derrick Hodge (b) ,Chris Dave (ds) ,Bilal (vo)



ここからはポエムです^^; 翻訳本は読んでませんw

聴いていて面白いな思う人達は、意識しなくても今っぽさが音に出ています。音楽理論はからっきしダメなのであくまで感覚ですw感覚でも四方八方、数を聴けばなんとなし肌に馴染んできます。

ところがジャズの場合、過去のジャズっていう鳥籠の中から、どう飛躍するか、どんな飛び方をするかってのもけっこう大事だったりするようです。
僕が聴き始めた頃に「これは聴くべし本」みたいなのがあって、過去から遡って聴いてしまったという悪影響もありまして「過去のジャズ」の存在は聴き手にとっても大きい。アルバムに残されたのは、ほんの僅かな断片だと思いますが、その断片が以外とヨレヨレになっていなくてカッコいいのでやっかいですw

「過去のジャズって、何だ?」と・・・ブリブリいく即興でもなく、ビ・バップやモーダルでもない。時代をちょっとリードするような、シフトさせるような「俺が、俺は、のイカした主張」とか「視点を変えさせるきっかけ」ですね。
今も変わらないんでしょうけど、今は複雑すぎるか、ジャズの才能が他ジャンルへいってるか。。てきとーですが、キュビズムとかバウハウスとかのような斬れ味が、5,60年代のジャズにあったから今でもキラっとしてんのかもしれません。。それは、物語と語り部と置き換えてもいいかもしれません。「次ってこんなじゃね?」「この音カッコよくない?」みたいな、語り口がやけにカッコ良かった。またはその「物語」が完ぺきだった。
しかし、過去の物語は既に半世紀ほど経ているわけで、この間、ガラガラぽんぐらい世界が変わっている。ましてや生まれてない。。現在、60後半から70代ぐらいの方にとっては、過去ではなく青春だったのかもしれないので、、在る意味ではリアル。

音楽は過去のものであろうと時代性や言葉を遥かに霞ませるぐらいの表現だから、誰にとっても聴いた時がLiveなのかもしれません。一部のクラシック音楽が、時に残酷な背景の上で創造されたからこそ、世俗にまみれてない純粋に音の可能性に捧げられた芸術と感じさせるることがあります。

しかし、いい意味で世俗の垢にまみれたジャズやロック、ポップスは時代のノリが表現に写りこんできます。どんな物語を聴かせてくれるか?人が表現するから当然で、その人の立ち位置が出る。出ない方が気持ちワルいわけで、その演奏や曲、詩とかに時代の気分が反映される。米国の9月11日と日本の3月11日はまったく違う出来事ですが、本質では共通してそうな転換点だったと思うし、世界を見渡すと、この5,6年で中東でもアフリカでも大きな転換点があった、、今もかな。国内ではSMAPの曲にもそんなんがごちゃまぜで反映されてきます。たぶん。



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「今っぽさって、何だ?」と、今のジャズは面白くないし、昔の方がいいよネ。
多少なりとも聴いいてくと、ちがいます。理想は上の写真の壺屋の「バームクーヘン」とでも言うか、層が一定ではなくてコアになんか在るぞ、っていう感じ。今のジャズ(カテゴライズに意味は希薄かも)は、多層化が進み即興性やソロのカッコ良さ以外にも、過去のジャズやロック、ブラック・ミュージック、現代音楽、複雑に拡張したリズム、エレクトロ、ルーツ回帰からのハイブリッドなど、味付けのレシピはすごく多くなってしまった。バームクーヘンの層要素の多様化がうまく音になっていくと「今」が鮮やかに浮きぼられると同時に、過去の表現と明らかなちがいが生まれてるような感じです。

多層な故にハーモニーやアンサンブルなど協調性?による表現やコンセプションが重要性を帯びてきます。曲や編曲など取り上げるテーマ、パッケージ音源での聴かせ方まで含んだ「バームクーヘン」。ガツンとくる「大福もち」じゃない。で、ソロやバリバリの即興などの個人技はライヴでどうぞ。みたいな感じがRobert Glasper、Pascal Le Boeuf、Tigran Hamasyan etc.etc...らの音源をナナメ聴きしてると顕著じゃないかと思います。中でもJohn Escreetとかはかなり難角度からアプローチしているように感じます。過去のジャズ+現在(音楽から何からひっくるめて)+ルーツも呑み込んだ立ち位置からの「先っぽ」をどう表現するか。


ちなみに、旨そうなバームクーヘンは、壺屋のゴールデンアップル・カムイというバームクーヘンです。
ここまで読まれた方は、とりあえず長いよね、とかお思いかとおもいますが、ありがとうございます。




演奏曲
1. Maiden Voyage (Vocals ? Bilal)
2. Lil Tipsy
3. Alone Together
4. Mood (Guitar ? Mike Moreno)
5. Don't Close Your Eyes (Vocals ? Bilal)
6. Blue Skies
7. Interlude
8. In Passing
9. L.N.K. Blues (Saxophone ? John Ellis, Marcus Strickland)
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by kuramae2010 | 2014-04-20 00:55 | jazz | Comments(0)

Tigran Hamasyan / Shadow Theater / Sunnyside

d0157552_0434919.jpgTigran Hamasyan / Shadow Theater / Sunnyside Communicat
Tigran Hamasyan (piano,keyboards)
Areni Agbabian (vo)
Ben Wendel (sax)
Sam Minaie (b)
Chris Tordini (b)
Nate Wood (ds)


Jean-Marc Phillips Varjabedian (vin)
Xavier Phillips (cello)
Jan Bang (programming)
David Kiledjian (programming)
リリース:2013.10





Shadow Theater、、ジャズっていう範疇からブレイクスルーしちゃってるTigran Hamasyanの2013年盤。
想像したジャズの快楽はうすいです。けど、すっごいクリエイティブな音楽です。

ちなみにTigranは2006年の「Thelonious Monk International Jazz Piano Competition」の優勝者でもありますが、この時の2位はGerald Clayton、3位にAaron Parksという顔ぶれだったことを最近知りました。


不思議な時空とエナジーが捩れた「Shadow Theater」。
1曲目の「The Poet」の出だしで、あちゃっていう気配を感じた方も多々居たんじゃないかと思います(僕もその1人...)。最近、グラスパーやエスクリートと共に聴き返してます。「Erishta」もヘタウマボイスで不思議空間へ誘われます。

「Drip」とかのエキゾチックなリズムの不可思議さとピコピコなエフェクトのmix、郷愁に満ちたボイスとか、なつか新しい。7曲目の「The Court Jester」も躍動的なビートとボイス。。
「Pt2 Alternative Universe」 はピアノに向ってますw 対峙してます。演奏全体の緩急がすごい。が、途中でボイスが入りアルメニ色が濃くなります。これとか別にボイスは要らない気がします。「Holy」はまったりした歌曲です...

アルバムラスト「Road Song」 はDripのストリングスver.っぽい曲。エネルギッシュ。曲途中にアルメニア語?でなんか挟んでます。なにか漲ってますね。自国の旋律とリズムのインパクト、緩急。




アルメニアを愛して止まない?Tigran の「Shadow Theater」のベースにはアルメニアのカルチャー、民族音楽がながれてんですが、Tigranはマッハでグローバル化している世界の中で、アルメニアを基軸に自己を哲学すると公言している人でもあります。
彼の言うところのグローバリズムは価値の均質化的なことを危惧しているようです。例えばスタバやマック、ユニクロ的なことに始まり、ネットによるボーダレス化などなど。どこへ行っても同じような世界が広がることがおもしろくないような節があります。日本では2000年代からロードサイドにモールが展開され、同じようなテナントが並び、旧市街地か空洞化していってることが言われたりします。経済ボーダレス化の音楽版?


思うに、Tigranは文化までグローバルするなら、逆流しちゃえっていう発想がアルバムづくりにあるのかもしれません。取り組み方はちがいますがRobert Glasper Experiment ノリ。。。

以前に観た、2011年のTigran HamasyanとAri Hoenig、Sam Minaieとのトリオ演奏時のダイナミズムやタイム感の衝撃を思うと、シンプルな共通語だけで突っ走る表現だけの盤も聴きたいと思わせる数少ないピアニスト。メインストリーム、現代コンテンポラリーの真ん中へ獅子の如く。




演奏曲
1. The Poet 
2.Erishta 
3.Lament 
4.Drip 
5.The Year is Gone 
6.Seafarer 
7.The Court Jester 
8.Pagan Lullaby 
9.Pt. 1: Collapse 
10.Pt. 2: Alternative Universe 
11. Holy 
12.Road Song







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by kuramae2010 | 2014-04-20 00:53 | jazz | Comments(0)

RIZE

d0157552_2333096.jpgRIZE
公開:2005年
監督:David LaChapelle
キャスト:Tommy The Clown
Larry
Lil C
Tight Eyes
Miss Prissy




Huluを契約しているんですが、、あまりに観れる映画が少なくたまたま観た映画.................

L.A. サウス・セントラル(ゲットー)のブラック・アメリカンの若者達の間で生まれたダンス「Krumping」の背景をドキュメンタリータッチで描いたDavid LaChapelle監督(1964年生まれ)の「Rize」。
この人、Andy Warholに才能を見出されたキレたフォトグラファーです。


Krumpはすでに10年ほど前のダンスらしいんですが、映画に出てくる、当時素人の若者達の、体の斬れがアートです。激しくて彼等にしか表現できない動き。。取り巻く凄惨な社会環境やルーツ、抑圧感、鬱積、何とも言えないものがあります。以前、書いた「ジプシー・キャラバン」と重なる部分も多々。



映画はラシャベルが生まれた当時の米国内の闘争から。


登場するクランパー達の子たちの言葉がさり気なく凄くて、
ギャングになるか売人か。。撃たれるか、ムショに入るか、、踊るか。


Lil C
『2日、ストリートに顔を出さないと、ダンスは変わっている、どんどん変わる...』 パーカーかとw

『俺たちはヒップホップ界とは違う。コマーシャライズドされたものはいらない。何故なら俺たち自身が「特注」だから・・・・』ヒップホップは売れるモノを単に焼き直して売ってるだけだと言う。それをジャズに融合させる人もいる。。売ることも大事。Krump的なアプローチを取り入れている人たちも多い。


途中でアフリカ原住民の踊りが挿し込まれますが、そんな必要もなくクランパー達の子が何を表現したいかは、踊りだけで充分伝わるもの。最後らへんにホワイト・アメリカン、アジア人が登場し、リズム音痴じゃないよ、って踊ってたのがイカしてました。

Dragon Slayer
「神に対してゴスペルを歌う人たちがいるのと同じように、我々の年代は、神に対してクランプを
踊ることで神を敬うんだ。神に近づく行為なんだよ。」

d0157552_23365394.jpg

http://vimeo.com/63644618

彼等の踊りを『dazzling』 といった批評家がいたようです。
映画で出てくるダンスシーンのソロやデュオは、ジャムセッションとなんら変わらない感じを受けます。道具を使わない分、身体表現なのでもっとストレートで誰もが表現できる手段ともいえます。

現在も映画冒頭の時代と本質は同じで、サウス・セントラルなどのダウンタウンでは現代の方が、間違いなく逼迫してんのかもしれません。状況を内省的に吐露するか、もっと大元へ辿っていき、今の立ち位置から表現するかは、視点や人種のちがいがあるようです。

dazzling!






冒頭、キャップの子がDragon Slayer
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by kuramae2010 | 2014-04-14 00:05 | movie | Comments(0)

Trio Shalva / Riding Alone / 自主制作

d0157552_0215678.jpgTrio Shalva / Riding Alone / 自主制作

Assaf Gleizner (piano,melodica)
Koby Hayon (bass,guitar,oud)
Nadav Snir Zelniker (drums,percussion)

リリース:2011.2




20代の頃、転職の合間の3週間ほどのあいだ、ユーノス・ロードスターで東日本一周をした時に突如あらわれ感激した風景にそっくりなジャケ写。ほぼこの角度。あまりに気持ちいい場所だったので、近くの公園で野宿しつつ「LIVE AROUND THE WORLD」とかで青春してました。まさにアルバムタイトル「Riding Alone」(?)
この時のツーリングはいっつも屋根を空けてて、真っ黒に日焼け・・とにかく楽しい旅の記憶。


この「Riding Alone」は、Koby Hayonが参加してまして入手です。「Koby Hayon / Gemini」は、地味ながら、これがなかなかに良くてこの2年、ちょくちょく聴いてる盤。
で、Koby Hayonを探してもリーダー盤そうそうない。Geminiも自主制作盤だったし、この盤も自主制作。

「Riding Alone」は前半がメロウ・コンテンポラリー(Shir Ahava Bedouiはハイブリッド)、現代モーダル・バップとも言うそうです。後半はAssaf Gleiznerカラーが強くなるのか、中東色が俄然強くなります。
Trio Shalvaは最近「Breeza」をリリースしてます。初めて聴く実質的なリーダーAssaf Gleiznerはリリカルでリズム感が冴えたピアニストという印象。なんとなしにフレージングに哀感が漂います。

アルバム・タイトル曲の「Riding Alone」は前半の甘い旋律が甘くて、くど過ぎてどうかと思いますが、後半は甘さプラス、ガッツあるヴォイシングや変拍子で三位一体な盛り上がりもあるのでわりかし聴き応えがあります。

5曲目の「Vertigo」はハヨンのオリジナルで、曲が好み。「Koby Hayon / Gemini」にも収録されてましたが、この盤ではAssaf Gleiznerのピアノがギターの変わりとなり、ベースでハヨン。グレイツナーは潤るとした陰影を付けドラマチックに展開する演奏でこのバージョンもあり。テンション上がったところのピアノは単調で今イチ。。

「Erev Shel Shoshanim」はメロディカ、パーカッションと編成が変わりエキゾチック&和なテイスト。
トリオ名「Shalva」はヘブライ語でしょうか。



演奏曲
1. Shir Ahava Bedoui
2. 1-3-4-8
3. Kvar Avru HaShanim
4. Riding Alone
5. Vertigo
6. Misirlou
7. Pizmon LaYakinton
8. Sova
9. Erev Shel Shoshanim









リンクを辿って、本国でかなり観られている音源。歌謡曲?アンニュイです。

ボーカルもの




jazzahead! 2013 - Israeli Night - LayerZ ちょっと、かっこイイ!!3分50秒~ぐらいから



Yotam Silberstein 前説ながいです。 1曲目の演奏イイ!!テーマの歌わせ方がちょっとクール。ソロが以外とオーソドックスなとことがあるんでしょうか。。LayerZのベーシストと同一人物 これ観てデビュー盤入手しました、、

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by kuramae2010 | 2014-04-10 00:41 | jazz | Comments(0)

Edward Simon / Unicity / Cam Jazz

d0157552_1321159.jpgEdward Simon / Unicity / Cam Jazz
Edward Simon (p)
John Patitucci (b,el-b)
Brian Blade (ds)

録音:2006.2.26.27





「Unicity」はたしか2011年の3月か4月ぐらいに入手した盤。昨年この盤と同一メンバーで、Live盤をリリースしたEdward Simonの2006年旧譜。今年も精力的に「Venezuelan Suite」などEnsemble Venezuelaで、またちがう表現をしています。


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「Unicity」
滋味な盤なのですが、Edward Simon自身が表現する物語にBrian BladeやJohn Patitucciが応える、なんとも言えないシナジーを帯びた演奏。バップから欧州っぽいピアノトリオ系やクラシック、直球ではなく微かにアフロ-ヒスパニックなリズムをブレンドしてます。さらにリズムもメロディもリフ、オスティナートを多様したコンポジションで、絶妙なスペースから生まれる鳴り口から三人で紡ぎ出す「情景」がじわじわと滲入してくるかのような"作品"と言えます。


John Patitucciのアルコではじまる「Abiding Unicity」から、David Binney作曲「Gevriasolas」は本作の肝なんじゃないかと思います。
特に「Gevriasolas」はベスト!スローですが、ある意味エッジを感じる演奏。Edward Simonの引いた立ち位置が”間”.........自由なスペースを生み出すので、細い糸の線上で先を探る三位バランス的な演奏?平衡な協調感が生まれつつも流動的にフローする演奏が展開。Brian Bladeのブラシのブラシ一本一本まで神経が通ったかのような繊細さやシンバルワークの抑揚、アクセントになるアタックもさることながら、その音の粒子の広がりや、一粒の重さを潰さない様に纏め上げたエンジニアのJames Faberもすごい。


「The Midst of Chaos」エドワード・サイモンの代表曲の一つともいえる曲?ソロ回しあったりのオーソドックスなハードバップ。タムとフロアタムかな?が左右へ無理くり振られたりするのが突拍子感ありますが。。
「Pathless Path」の出だしはどっかで聴いたことがある雰囲気が濃厚。Edward Simonのスペースを残すタッチやベースラインの重めなドライブ感、ここでもBrian Bladeのシンバルが絶品。2'47"~と4'12"~から、キースの影響がかなり強いのかなと感じます。
「Evolution」エキゾチックな響きのジョン・パティトゥッチのエレべ(6弦?)。途中でテンポが変化していくアレンジですが、これまたダークな色合。


9トラック目の実質ラストだと思われる「Eastern」。
シンプルでゆったりするグルーヴはかなり独特で微妙にツボ。入手した3年前の今頃聴き、いつかこう光りがさしてくるんだろうなあ、と思いつつリピートした記憶があります。現実はどんどんフローしていきますが、今でも記憶は褪せていかない春のしじま...........




演奏曲
1. Invocation
2. The Messanger
3. Abiding Unicity
4. Gevriasolas
5. The Midst of Chaos
6. Prelude N.9
7. Pathless Path
8. Evolution
9. Eastern
10. Abiding Unicity





エンジニアのJames Faberが手懸けた盤
メルドー、レッドマン、ロバーノ以外では
Michael Brecker 「Nearness of You: The Ballad Book」
Kurt Rosenwinkel 「Deep Song」 「Star of Jupiter」
Jason Lindner 「Premonition」
Scott Colley 「Architect of the Silent Moment」
Sam Yahel 「From Sun to Sun」
Taylor Eigsti 「Daylight at Midnight」

などなどです。
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by kuramae2010 | 2014-04-03 00:31 | jazz | Comments(0)