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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Federico Arreseygor / Detras de la medianera / CUCHA! DISCOS

Federico Arreseygor / Detras de la medianera / CUCHA! DISCOS_d0157552_029311.jpgFederico Arreseygor / Detras de la medianera / CUCHA! DISCOS
Federico Arreseygor( ,key,g,vo)
Mariano Cantero (ds,per,vib,vo)
Omar Gomez(b)
Cintia Coria(v)
Ana Archetti(vo)
Joaquin Perez:(ft)
Ezequiel Ortiz(g)
リリース:2014.12.16




子供の頃のおもちゃ箱にとつぜん出くわしたような感覚。

昨年12月にリリースされた、Federico Arreseygor の2ndアルバム。
フェデリコ・アレセイゴル(仮名?)はアルゼンチン出身のピアニスト&コンポーザーらしいです。

初めて聴くミュージシャンで、音あたりが懐かしくて穏やかなのにヒタヒタと斬新。カテゴリー的にはコンテンポラリー・フォルクローレみたいなんですけど、世界のジャズの才能が集まった昨今のブルックリン界隈で、2014年に生まれた新しい一角ですヨ、、と紹介されても、『あぁ、、』と納得できるリアルな鮮度感。脱シリアス ^^)


どの曲、演奏もしなやかな感性で自由でいて、自由。


3トラック目の I.K.I. (un dia en la vida)は、クラシック曲の何だろ....有名な曲のLP音と子供のボイスから始まり、独特な和音のピアノでクラシックを思わせるボイシングだったり、モーダルへいったりとスタイルも変わる。ドラムスはペシペシにコンプされ、変拍子なコンポジション。凝ってるのに耳馴染みのいい空気感。「Tierra arrasada」は浮遊感あるハーモニーに内省的なボイス。リチャード・ボナばりのベースが深いエア感を醸しつつ、緩急あるラテンなリズム。
「Rey mendigo」センター前面にONで現れる女子ボーカル、ポルトガル語?の語り部。次曲「Dieciocho」は男子ボーカルによるサウダージな受け?イイ曲。テンポ変化が絶妙でギターのラフなリフが軽い浮遊感・・・・彼の世界と今っぽい音をリンクさせた表現がナチュラルすぎ。

トータルでとてもピースな世界で、アナタにも大切なものがあるよ、と気づかされるような盤。


Federico Arreseygor / Detras de la medianera / CUCHA! DISCOS_d0157552_0295023.jpg


ただし、ダークなシリアス感やスモ―キーでゴリッとするグル―ヴ感、シンバルがぢんぢん迫るとか、スリルあるテンションとは対極なところが残念でもあるけどホッともする。
・・・冒頭の「Resonancias」とかがわりと現代NYC界隈の音に近いトラック。もうちょっとテンションあって、即興なんかが入ってくると好みかなあ。

おそらく、ティグラン・ハマシャンが好きな人は別な意味(テンションが緩い)でハマるんじゃないかと思います。
ミナスの若手(あまり知らないけど。。)のようなアンニュイ感ともまたちがうアルゼンチンの若き才能。



演奏曲
1. Resonancias
2. Soldespues
3. I.K.I. (un dia en la vida)
4. Tierra arrasada
5. Rey mendigo
6. Dieciocho
7. Mario
8. Devenir
9. Al cantor
10. aMores (bonus track)



・・・17,8才ぐらいからジャズを聴きかじってますが、今ほど世界中の才能が聴けて、融合してる時ってなかった記憶。人もモノも情報もボーダレスなせいか、リアルです。十年後にも輪をかけて感じてたら幸せでしょうね



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このアメ細工のような不格好なCD留めがアルゼンチンらしいw
by kuramae2010 | 2015-01-29 00:50 | jazz