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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Born Modern Alvin Lustig と J.B.Lansing

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工業系デザイナーの米サイトを見てて発見した「Alvin Lustig」という人。フランクロイドライトの弟子だった時期もあった、マルチなデザイナー。以前にJBLの1950年代から60年代のカタログを見せてもらった時から気になりはじめた「JBL」そのもの。

歴史があるJBLには良くも悪くもイメージがあって、ラスティングはランシング亡き後のハーツフィールドやパラゴン(911でいうところのGT2やGT3RS的な位置?)をのぞいたいた家庭用スピーカーのイメージを決定付けた中心人物じゃないかと思います。どれくらいの期間、JBL社に関わっていたかは不明ですが、知れば知るほど奥深い。ランシングと重なる面影をみました。

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ランシング亡き後、JBLの株式を家族から買い受けたウィリアム・トーマス(航空会社出身)が、雇ったと思われるのがラスティングで、過去に小型ヘリコプターのデザインを依頼してます。
JBLの経営権がトーマスへと変わった時に、おそらく昔で言うところの「C.I」を試行。ランシングの生前と後とでは会社自体や製品の魅せ方がちがうので一目瞭然です。ランシングが不器用で技術生粋な人だった故にその差は歴然とし、その代わり半世紀を経てもなおそのベーシックなアイコンは元気に残っている、とも言える。

ランシングが言ったかどうかは不明確ですが、『美しい家庭用スピーカーを・・・』これを具現化していく道標を示したのが、ラスティングとトーマス。

トーマスも変わった人で、「ステレオ化」とかの先見の明があったのか、元の航空会社に戻れたはずなのに戻らず、出向先のJBL社のオーナー社長となり、ランシングが遺したユニットや技術を製品化していくんですが、当時の傾いた会社の状況から推測するに、茨の道だったかと想像します。

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トーマスとラスティングが新たに取り組んだ「C.I」は、おそらく単なるC.Iではなくて「C.P」という『企業哲学』を再構築し、それらを製品化、系統化、ビジュアル化していく仕事だったと思います。その手腕と出来上がったモノのクールさはちょっと前のMacやGoogleのような雰囲気だったのかな。国内ではユニクロ、ソフトバンクもずっと統一してますね。

ラスティングの公式サイトを見ると、数多のグラフィックやタイポ、建築、住宅、家具、ヘリコプターなどにいたるあらゆる領域で活躍していたようで、JBL社では新規のロゴからはじまり、ハーランやハークネス、ヴァイカウント、バロンなどのデザイン、ビジュアルを担当していたと思われます。彼の洋書なんぞも取り寄せたところ、1948年にフィッツジェラルド「グレートギャッツビー」の映画化に奔走したとかしないとか・・・

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当時のJBLのクールさは製品の他にも見せ方やシステムチャートにあったと思います。ラスティング最初のJBLカタログはグリッドデザインを採用している。

これは想像ですが、JBL社特有の系統的な製品化の根本には、見せ方以外にもラスティングがタイポやアートで取り組んでいた「エレメント」という概念を製品化へも用いた気がします。この根幹にはバウハウスやコルビジュエの影響もあったかもしれません。。特に「タイポ」を生み出すにはデザイン以前の文字という成り立ちから細分化していくという、途方もない作業。そうした思考を取り入れてまとめ上げた。

具現化するには、JBL社の構成要素を分解して、再構築するような作業。キモはランシングが遺したユニットやプランのエッセンスから製品の核を抽出し、アレンジし、再構築(製品化)することで、C36やC38、C40など、サイズや系統だったバリエーションやチャートが誕生したと思われます。

さらにすごいのは、1950年代にスピーカー自体(機器)をインテリアの『エレメント』という見せ方をコラボして、導入しようとしたことです。数年後のパラゴンのカタログにはイームズの椅子が登場。他にハーマンミラーとJBLでくつろぐ見目麗しい女子、という図式です。これも製品によってウォールシェルフやアートなどのシーンを巧みに入れた表現で、奥さんや彼女を想定し、クオリティ感ある生活?イメージを醸すという「カリフォルニア・モダン」のはしり。。これまた製品ごとにモデルやファッションを変えて・・・現在では珍しくありませんが、半世紀以上も前だと斬新だったはず!?


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1950~60年代のJBLのあらゆるデザインの斬れ味はすこぶるカッコいいもので、「音」以前に企業体としてもイカしてた。某国のネクタイを締めて、カッチりスーツ的なイメージは皆無。

再度、ダイナの厚木さんに当時のカタログを見せてもらい、ラスティングの影響が随所にあることがわかりました(50年代中期までかと思いますが考え方は継承)。たしか一番年代の古いチャートを見ていて「おっ!」思ったのが「C50SM」4320の元となったチャートに「LE15A,375,075」のセット。これも『S8』というらしいのです。ラスティングがデザインしたC36のチャートには「130A,375,075」!これにはアダプターキットの設定はなし。ただし年代が新しくなると375はチャートから消えていました。佐藤さんのC54も肩肘張らないインテリアのエレメントとしてのJBLの素敵な製品で、バッフル面と奥行きの黄金比?心地のいい乾いたサウンド、あの脚はイカしすぎ!まさに「家庭用の美しいスピーカー・・・」がJBLから誕生。マニアから音楽ファンまでを網羅するシステム。ただし、そう長く続かなくて、会社買収で舵取りがかわりますね。



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ウチの075ツイーター。
これまで075はランシングがD130と同時期に設計して発表していたと思ってましたが、正式な発売は1956年。設計~開発はTADユニットの設計者でもある元WESTREXのバート・ロカンシー氏なんですね。ググってくと、1950年初頭に075と似てるTrusonic社の「5KT」があったので、スティーブンス氏と同志でもあったらしいランシングは075の基本構想ぐらいはしていたと妄想します。

075、まじまじ見るとカタチがいい。ホーンの内側のざらっとした質感も。こいつ、カツカツ来る音以外にも繊細な鳴り方するのも発見!これまでいかに適当に鳴らしていたか。人となりがでますw ・・・今でも、大雑把で飽きっぽいので、それが音となりに出てることかと思います。最小限のユニットで愉しむ「030」システムも乙なもので、HL90、2インチドライバーを鳴らさずに130Aと075は開放感とナチュラルさ、まとまり感はなんとも言えない魅力。



・・・現実の目の前には、英国から来た見た目、
淑女が『 ・・・鳴らせるの 』と、言わんばかりに脚を組んでる様。
075とは遠い々親戚なんだけど.....



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by kuramae2010 | 2014-11-06 22:38 | Comments(0)