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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

RIZE

RIZE _d0157552_2333096.jpgRIZE
公開:2005年
監督:David LaChapelle
キャスト:Tommy The Clown
Larry
Lil C
Tight Eyes
Miss Prissy




Huluを契約しているんですが、、あまりに観れる映画が少なくたまたま観た映画.................

L.A. サウス・セントラル(ゲットー)のブラック・アメリカンの若者達の間で生まれたダンス「Krumping」の背景をドキュメンタリータッチで描いたDavid LaChapelle監督(1964年生まれ)の「Rize」。
この人、Andy Warholに才能を見出されたキレたフォトグラファーです。


Krumpはすでに10年ほど前のダンスらしいんですが、映画に出てくる、当時素人の若者達の、体の斬れがアートです。激しくて彼等にしか表現できない動き。。取り巻く凄惨な社会環境やルーツ、抑圧感、鬱積、何とも言えないものがあります。以前、書いた「ジプシー・キャラバン」と重なる部分も多々。



映画はラシャベルが生まれた当時の米国内の闘争から。


登場するクランパー達の子たちの言葉がさり気なく凄くて、
ギャングになるか売人か。。撃たれるか、ムショに入るか、、踊るか。


Lil C
『2日、ストリートに顔を出さないと、ダンスは変わっている、どんどん変わる...』 パーカーかとw

『俺たちはヒップホップ界とは違う。コマーシャライズドされたものはいらない。何故なら俺たち自身が「特注」だから・・・・』ヒップホップは売れるモノを単に焼き直して売ってるだけだと言う。それをジャズに融合させる人もいる。。売ることも大事。Krump的なアプローチを取り入れている人たちも多い。


途中でアフリカ原住民の踊りが挿し込まれますが、そんな必要もなくクランパー達の子が何を表現したいかは、踊りだけで充分伝わるもの。最後らへんにホワイト・アメリカン、アジア人が登場し、リズム音痴じゃないよ、って踊ってたのがイカしてました。

Dragon Slayer
「神に対してゴスペルを歌う人たちがいるのと同じように、我々の年代は、神に対してクランプを
踊ることで神を敬うんだ。神に近づく行為なんだよ。」

RIZE _d0157552_23365394.jpg

http://vimeo.com/63644618

彼等の踊りを『dazzling』 といった批評家がいたようです。
映画で出てくるダンスシーンのソロやデュオは、ジャムセッションとなんら変わらない感じを受けます。道具を使わない分、身体表現なのでもっとストレートで誰もが表現できる手段ともいえます。

現在も映画冒頭の時代と本質は同じで、サウス・セントラルなどのダウンタウンでは現代の方が、間違いなく逼迫してんのかもしれません。状況を内省的に吐露するか、もっと大元へ辿っていき、今の立ち位置から表現するかは、視点や人種のちがいがあるようです。

dazzling!






冒頭、キャップの子がDragon Slayer
by kuramae2010 | 2014-04-14 00:05 | movie