うつし世は夢、夜の夢こそまこと

古き佳き時代?



永久磁石ユニットの元祖まで遡ったアルテック。
アルテック・ユニットの変化は2、3回程あり、大きく変わったのは1966年、515Bを発売した年じゃないかと思います。
1960年代はモータウン系やビートルズ、ストーンズ、ジミヘン、ドアーズなど怒涛の如く新しいスタイルの音楽が登場した時代。映画館では「007シリーズ」や「サウンド・オブ・ミュージック 」、「突然炎のごとく」が上映。
米国ではJBLなどトランジスタアンプが台頭してきて、パワーも入れられ、ソースの再生帯域が広がってくる頃かと思います。

515Bの前身の515は、1945年に288ともに登場しました。パーカーがマイルスと演奏しはじめた年。日本はポツダム宣言受諾、原爆投下の年です。米国の景気は凄まじく良かったろうと思います。当時のGDPは戦前の約2倍ほどになったとか。1度目の大きな節目がこの頃。。


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J.B.ランシング氏がアルテック社の技術系執行役員として参画したのが1941年で、最初の仕事が1945年にデビューした515、288ユニットの開発と製品化。さらにはA1からA6のシステム化だと思われます。当時は、数多ある米国全土のシアターへ導入するためのシステマチックで多少の妥協を伴ったユニット群。。。妥協というのは、WEからの代替えなどで膨大な数の劇場への導入。さらにトラブルを少なくするため、励磁型から永久磁石へ。メンテ性の向上など様々な課題があった感じです。

同時期に映画のステレオ化もすすめられていました。1940年、世界初のステレオ映画、ファンタジア(ディズニー制作)が公開。ランシング氏は映画の音響変化も目論み、完成させたザ・ボイス・オブ・シアターシステム。卓越したところは、高域・低域の振動板位置を揃えたことかと思います。


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515ウーファーのfoは40Hzでダンパーもベークライト製、インピーダンスは20Ωという現在では設定しないだろうというモノ。同時代のドイツ製ユニットもベークライト製ダンパーに軽いフィクストエッジのコーン。515が登場した当時のエンクロージャは、H110(A7はH810)で、これ鳴らせば本来の雰囲気が出るんだろうなあ。1950年ぐらいからH825がA7主体にA5と共通化。

現在鳴らしてる、288ドライバーはニューヨークの映画館で使用されていた個体で、わりと珍しいコーティング材なしのオリジナル振動板。288Cとの違いはインピーダンスが24Ωで、振動板の厚みや細いリード線が特長かと思われます。


ここ数ヶ月、アルテックの永久磁石の初期ユニットからフェライトまで鳴らしてみましたが、世代毎にアプローチや考え方のちがいか、音も質感もぜんぜん違います。各ユニットを聴いて感じるのは、時代を合わせることぐらい。あとは聴く音楽や好みな世界w
古いモノが合うとは限らないし、イイとは言えない。ながく鳴らしこんでいけば変わっていくもんなんだろうと思います。

現状ではドライバー&ウーファーのスピード感が揃い、しなやかな音像の陰影感を醸しだしてるのが初代ユニット。ただしレンジは上・下とも狭い。。。

210とかの箱に515B2発、1505に16Gダブルで、ジミヘンは快感だろうなぁ~とか想像すると愉しい。





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週末、神田紺屋町から鍛治町、日本橋へ。
散歩の途中に出会った丸石ビルディング。1931年築の賃貸ビル。半端ない手入れですごいオーラ。
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by kuramae2010 | 2013-02-06 00:15 | Comments(0)