うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Clarence Penn / Dali In Cobble Hill / Criss Cross

d0157552_0335634.jpgClarence Penn / Dali In Cobble Hill / Criss Cross

Chris Potter (ts , ss , bcll)
Adam Rogers (g)
Ben Street (b)
Clarence Penn (ds,Per)

リリース:2012.9.25



マジな職人が造った道具やデザインは、箸でもカバンでも、リモコンでも使っていて気持ちいい。
余計なことを思わせず、なんてことない行為に没頭できる。ふとした瞬間に良さに気づく・・・
アダム・ロジャースの長年の相棒、クラレンス・ペンのリーダー盤を聴きながらそんなことを感じた。



アダム・ロジャースがフル参加ということで早く聴きたくて購入した盤ですが、かなり前に予約したつもりが先週ようやく到着。クラレンス・ペンはクリス・クロスのロジャース、リーダー盤2009年「 Sight 」、2003年「 Allegory 」、2001年「 Art of the Invisible 」などに参加。ベースはスコット・コリーではなく、ベン・ストリート。

一聴して、フロントのソロバックでペンのアグレッシブなことw
カッコいいのがポッターソロバックの右ch寄り定位のロジャースとペンの密度&スリルある躍動感。ロジャースのソロは入りのタメ、抑えた太いダーク系から、後半のメカニカルながら温度感あるクレバーな展開、そして、ペンががっつり絡んでドライブがかかっていく展開は快感。

クリス・ポッターはペンも参加しているロジャースの「 Art of the Invisible 」で共演。今盤でも安定して上手い。脂がのってるトーン感w 2曲目「 Cobble Hill 」のポッター、ロジャースソロのバックで暴れるペンのこれでもか攻撃w 現実的な路線の遥か上をいくこれでもかプッシュ。「 A Walk On The B-H-P 」のぶっとく響くポッターのバスクラは良い感じ。ポッターのバスクラははじめて聴きましたが野生、動物的ぶっとさ。
どのへんがダリってるか、ダリっぽい分解と現代ブルックリン・サウンドを融合?ポッターとロジャースの音の対比、ミステリアスな「Dali」。


「 Mr.C 」はやたらかっこいいコンポジション!!
ポッターのかっ飛びぶり、ベン・ストリートのズンズンいく力、ロジャースのトーンを補うペンのバランス&緊密感。ポッターとロジャースのユニゾンへの移行でガラッと転換。このあたりのセンスは好きです。最後、ポッターが熱の入った『今から、いくでー』という雄たけびからのフェードアウト、ってありですか?

余裕な展開ではじまる「 My Romance 」情感たっぷり目な歌心。ポッターは直球ストレートで余計なフレーズを入れず、崩さずハマってます。フロントの喋りっぽい掛け合いで始まる「 Solato's Morning Blues 」でベン・ストリートの貴重なソロw、ってぐらいミックスダウンがNG。ロジャースは、らしい速いパッセージとペンのサウンド。ラストがファンクなコンポジションでロジャースのサウンドも変貌。



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・・・私的に残念なのが、エンジニアのマイケル・マルシアーノ。ヤバいほど音が悪い。リーダーのクラレンス・ペンがあんなにホットに大胆かつ繊細にいってるのに惜しい。ワイドに振ったパーカッションはまだしも、潰れて濁ったシンバル、輪郭に乏しいバスドラ・・・。ベン・ストリートはどうしたの?という儚さ。複数のシステムで聴きましたが、残念。サックスは太くて前に出張って悪くないし、ロジャースもそれっぽいので、フロントへ寄り過ぎ?惜しい感じ。昨年のユリシーズ・オーウェンズ(カナ?)のドラムは良かったのに、この仕事はなぁ。アダム・ロジャースのクリス・クロス盤を聴き返しましたが「 Sight 」のマルシアーノは、ここまで酷くない。職人のワザは何処へ・・・



録音はともかく、過去10年程、共にアルバムを制作しているクラレンス・ペンとアダム・ロジャースの相性の良さ、安定したトーンで魅了するクリス・ポッターが印象的。ペンの魅力はフロントとの対話力、演奏の躍動感&展開?みたいなところかな。

アルバムは、脂が乗り切った驀進力あるハードバップから、一聴、ストレートでも一癖あるスタンダード&バラード、ミステリアスで陰影ある変拍子浮遊系、さらにファンクまで、まさに職人の域、プロの奥深さ。単一的なコンポジションではなくバラエティ豊かなのに聴き終わった時にはバラバラさがない、まとまり。

若者たちのちょっと不器用で一途な表現とはまたちがう、
酸いも甘いも知った大人達がスタジオで愉しんでつくった感があるアルバム。
・・・中年の苦みばしった感性から生まれるサウンド、これからも出し続けて欲しいものです。




演奏曲(コンポジション:クラレンス・ペン)
1. The B 61
2. Cobble Hill
3. A Walk On The B-H-P
4. Dali
5. I Hear Music (Burton Lane / Frank Loesser)
6. Mr. C
7. Persistence Of Memory
8. My Romance (Richard Rodgers / Lorenz Hart)
9. Solato's Morning Blues
10. Zoom Zoom







Clarence Penn Quartet: Live From 92Y Tribeca 【NPR】
サックスがシーマス・ブレイクに変わっているライブ

Set List
All compositions by Clarence Penn unless otherwise indicated.

"The B61"
"I Hear Music" (Burton Lane)
"Dali"
"Persistence of Memory"
"A Walk on the BHP"
"Zoom Zoom"

Personnel
Clarence Penn, drums
Seamus Blake, saxophone
Adam Rogers, guitar
Ben Street, bass

Credits
Producer and Host: Josh Jackson
Audio Engineer: David Tallacksen
June 16, 2012 at 92Y Tribeca in New York, N.Y.
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by kuramae2010 | 2012-10-21 01:13 | jazz | Comments(0)