うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Tigran Hamasyan / World Passion / Nocturne・harmonia mundi

d0157552_23242391.jpgTigran Hamasyan / World Passion / Nocturne・harmonia mundi

Tigran Hamasyan (p,el-p)
Rouben Harutyunyan (duduk,zuma)
Ben Wendel (ss,ts)
Francois Moutin (b)
Ari Hoenig (ds)
リリース:2006.4



地に足がついた17歳の音楽。
音が鳴った瞬間から期待できる、、、2006年のティグラン・ハマシャンのアルバム。
最近の盤やライブ映像で聴かせる自由奔放なアプローチは感じませんでしたが、いい盤。
アルメニア古典・民族音楽からの発想とワールド・ワイドなリズムのシンクロ。

1曲目の「 World Passion 」、フランソワ・ムタンとアリ・ホーニグは最高!斬れも、うねりも、変化するリズムもドライブ感もすごい。ムタンのベースってなんとも魅力があって埋もれない弾力感。リズムが際立ったタイトなテーマからハマシャンの渋いフレージング。途中から楽想がガラッと変わり民族色がのったベン・ウェンデルのソプラノに当初のタイトでドライなリズム、という変わったコンポジション。2曲目も変わったリズムで拍子が複雑に変化。演奏に躍動感や一体感が生まれる、リズムと呼応する(ズラす)ハマシャンの左手は17歳時にやってたんですね。

民族色が強い「 These Houses 」で、尺八のような音色を奏でるルーベン・ハルテュニアン(カナ?)。
楽器は『ズゥズク』かなあ?これの音色が矢鱈といい!壊れそうなビブラート、揺らいだ音、すごい存在感。憂いあるハマシャンの粘ったタッチ、一音一音の粒立ちは17年しか生きてない人生の音だろうか?浮ついた音がない。。。2人を支える、うねりは骨太なムタンと繊細で大胆なホーニグの技。1,2曲目のコンポジションや聴かせどころをガラッと変えるあたりは録音のちがいにもあらわれているようです。たしかに楽曲や楽器のちがいも大きいのですが、ハルテュニアンと洗練されたテクニックを駆使するウェンデルとは、伝える技術が大きくちがうようです・・・

9曲目「 What is This Thing Called Love 」のハマシャンのフェンダー・ローズ、ムタンの妙に跳ねるベース、中低域の筋肉感。ホーニグのブラシが冴えたトリオは疾走感たっぷりのアレンジ。メンツに恵まれているのも彼の才能の故か。サックスで参加のベン・ウェンデルとは6年前からプレイしていたんですねぇ。ウェンデルの音色は細めでなぜかピーキーに感じる。


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ハマシャンはタッチの粘りや"線"の重さに耳をとられる。薄くない、浅くない感覚。迸る躍動感も魅力で2011年、母国エレヴァンでのアリ・ホーニグ、サム・ミナィエ(カナ?)とのライブ後半は圧倒的。リズムとスリルある絡みがたまんなく良いです!イケイケだけでなく、しなやかな感性で哀感あるオリジナリティも展開。



・・・10代後半ですでに独自なサウンドを獲得していたピアニストと再確認した盤でした。
ハマシャンのインタービュー記事で忘れられないのが、
「グローバル、ワールドワイド化していく世界の中で、自分の立ち位置を確認する音楽・・・」


今も、これからも進行形でその可能性は無限大。
同世代ではギターのジュリ・レイジとかぶります。。

ティグラン・ハマシャン、録音時17歳のときのリーダー盤。



演奏曲
1. World Passion
2. What Does Your Heart Want
3. These Houses
4. Part 1 : The Fruit of the Truth
5. Part 2 : Eternity
6. The Rain is Coming
7. Mother's Lament
8. Frosen Feet
9. What is This Thing Called Love
10. Native Land
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by kuramae2010 | 2012-10-20 00:18 | jazz | Comments(0)