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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Samir Zarif / Starting Point / Mythology Records

Samir Zarif / Starting Point / Mythology Records_d0157552_1102519.jpgSamir Zarif / Starting Point / Mythology Records

Samir Zarif (ss,ts,vo,electronics)
Zack Lober (eb)2, 5, 7, (b)1, 3, 4, 8, 9
Colin Stranahan (ds)1, 4, 7-9,(per)1
Greg Ritchie (ds)2, 3, 5
Maria Neckam (vo)2, 9
Lars Dietrich (as)4, 8


リリース:2011.2




The Story のサックス奏者サミール・ザリフが昨年リリースしたリーダー盤。
レーベルはデヴィッド・ビニー主宰のミソロジーレコード。今年リリースされたHans Glawischnigリーダー盤と一緒に仕入れました。日本ではどうか知りませんが、アメリカ、とりわけブルックリンで評価が高かったらしいw、多国籍ユニット「ザ・ストーリー」。私的には抜群にいいグループだと思います。が、好きな時期が限定されます。最近、メンバー各々がリーダー盤をリリースしていて、聴くと各人かなり個性的でユニットになっていたのが不思議とも感じます。でもまた全員でアルバムをリリースして欲しい。

ストーリーでは作曲の才能も聴かせたサミール・ザリフ、本作は全コンポジションオリジナル。メンバーはストーリーの主要メンバー、ラース・ディートリッヒとグレッグ・リッチー(ds)、ザック・ロバー(b)が参加。ボーカルはマリア・ネッカムが参加。ネッカム自身のユニットにはアーロン・パークスが参加したりしていてコア。



サミール・ザリフが youtube にアップしているアルバムのプロモーションビデオ。アルバム周辺のアートワークも凝っています。smallsでのデビューライブが10ドル。ライブ+CDが付くと20ドル・・・






「出発点」とつけたアルバムタイトル。ラース・ディートリッヒリーダー作を含めてストーリーの深化系(陰)がサミール・ザリフの本作と聴きました。進化系(陽)はジョン・エスクリートか?なぜ、エスクリートが参加していないか、、このサミール・ザリフの音楽を聴くとなんとなしに理解できたような気がします。ライナーでは「・・・my close friend・・・」にジョン・エスクリート、マイク・モレノ他が記載されていましたが、、、同時期に出されたエスクリート盤とはかなりベクトルが違うように感じてしまうなあ。。


重量感のない暗さ。

マリア・ネッカムはあまり好きなボーカリストではないんですが、このアルバムのボーカル・トラック 「Dancing In A Garden Of Dead Roses」 や 「This Life」 に漂う、重くない浮遊する『暗さ』。生命力のなさが逆にリアルに感じる今。前に出てくるグルーヴ感なんかはなく、奥へ、内側へと沈んでいくグルーヴ。サミール・ザリフのサックスは表面が冷めてるけどコアが沸騰している。この2曲に無駄なフレーズなし。彼はアメリカ生まれですが、アフリカや中東などの民族音楽からも相当に影響を受けているような感じもします。


アルバム全体に漂うスピリチュアルな雰囲気は、音楽以外で彼を支えている方々の影響も反映されているんでしょう。次は、どこへ飛んでいくか楽しみではあります。





演奏曲(全曲・コンポジション:サミール・ザリフ)
1. Circle Of Truth
2. Dancing In A Garden Of Dead Roses
3. Letter To The Brothers
4. Precocious Nation
5. The Old Man's Box
6. The Story Of "The Old Man's Box"
7. Interlude To Life
8. Fear & Deception
9. This Life
10. Keep The Faith

www.samirzarif.com/




Samir Zarif Quartet



Samir Zarif (sax)
Mike Moreno (g)
Phil Donkin (b)
Colin Stranahan (ds)

Special Guest, Maria Neckam on vocals. July 18th 2010 @ the 55 Bar.


毎年1枚、The Storyでアルバムをリリースしてほしい。
根底が一緒でディートリッヒ、エスクリート、ザリフのバラけたコンポジションの方がおもしろいし、ゲストありでも面白そう。
たぶん、グループが継続していけば、この時代のジャズや音楽になっていくと思うからです。







・・・毎月ウン十枚開けるCDのビニール。開けるのがもどかしい、、バーコードちっくな途中で切れてしまうアレを開けるのに役立つ、大木陽平さんデザインのペーパーナイフ。

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木製でとても軽く、風が吹くとゆれる。でもちょっと弱い。
by kuramae2010 | 2012-05-03 01:24 | jazz