人気ブログランキング | 話題のタグを見る

うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Kendrick Scott / Reverence / Criss Cross

Kendrick Scott / Reverence / Criss Cross_d0157552_23235481.jpgKendrick Scott / Reverence / Criss Cross

Kendrick Scott (ds)
Walter SmithⅢ (ts)
Mike Moreno (g)
Gerald Clayton (p)
Derrick Hodge (b)

リリース:2009.05.19



ケンドリック・スコットの2009年クリス・クロスリーダー盤。演奏曲目からこれまでのジャズをリスペクトした作品と言えるかもしれません。参加メンバーはジェラルド・クレイトン、マイク・モレーノ(モレノ)、ウォルター・スミスⅢという、どーしようもなく聴きたくなるメンツ!

ケンドリック・スコットは「Word Culture Music」レーベルを主催していて「 Mike Moreno / Between The Lines 」など、いい盤を出してます。これまでカート・ローゼンウィンケルやテレンス・ブランチャード、マイロン・ウォルデン、グレチェン・パーラト、パトリック・コーネリアス盤にも参加。


Gingerbread Boy
ジルジャンのアタックがこれでもかっ!てぐらい襲いかかってくる。
フロントとリズムの三つ巴でアグレッシヴな演奏。




ファースト・インプレッション
1曲目ウエイン・ショーターの「Ana Maria」 選曲の妙です。。テーマを吹くウォルター・スミスの音は洗練された音。ソロは凝縮感とキレのいいフレージング。マイク・モレノのくぐもった内向きなギターとのユニゾンはいい雰囲気で次曲以降もクール目にキマります。マイク・モレノのサウンドとジェラルド・クレイトンのフェンダー・ローズの浮遊感の相性も良くて、フロントの今っぽいサウンドにドカドカくるケンドリック・スコットのパワー。

3曲目の「You Know I Care」 しっとりしたバラード。デリック・ホッジのソロ(ロバート・グラスパー盤に参加)、ジェラルド・クレイトンの柔らかなタッチがいいですね。

4曲目「Metamorphosis」 ウォルター・スミスの堂々としたテナー、太くていい音色。私的にはマイク・モレノがウォルター・スミスのソロ終わりに合わせるちょっとしたフレーズ、音色がキモ。この辺はちょっとカートっぽい入りではあります。。ケンドリック・スコット、速射砲のようにアクセントをつけてくるスピードとパワー感が気持ちいい。ジェラルド・クレイトンのソロは音数の少なさ、低体温感からはじまり、じょじょにガッツリと行くピアノ。ケンドリック・スコットのバスドラの連打やシンバルワークの多彩さは圧巻。締めはウォルター・スミスとマイク・モレノのユニゾンからモレノのソロへ。抜群なテクニックのユニット。

5曲目「No You, No Me」 唯一のオリジナル曲ですがドラムソロ。。。低音部がおどろおどろしたピアノ。

6曲目、ハービー・ハンコックの「Speak Like A Child」 ウォルター・スミスが吹くテーマ、マイク・モレノのリバーブ、フェンダーローズのジェラルド・クレイトンが原曲のモーダルっぽさを上手く引き出している感じ。
この3人の前半部の即興は聴き応えあります。それになおも渇を入れる、躍動感をプラスしていく、ケンドリック・スコットのドッシャン!ドシャン!!いくドラム。落差、ダイナミズムが面白いです。

7曲目が興味深いケニー・ドーハム曲「Short Story」 デリック・ホッジ、これまであまり注目して聴いてこなかったですが、いい輪郭のソロです。リズムの立ち上がり、テーマのアレンジが抜群にカッコいいです。マイク・モレノの内省的なソロとはち切れそうにエネルギーを溜め込んでいそうなケンドリック・スコット。その間を中和していくジェラルド・クレイトンの図?
ウォルター・スミスのソロ、音は滑らかであったか。リズムが加速しはじめる、スピード感は尋常じゃないです。

ラストの「Lonely Woman」演奏が楽しみなラスト曲。ベースのアルコとエキセントリックなテーマ。・・・いつグワーーーんと来るかと思いましたがオドロオドロしいまま終了。この演奏はちょっと消化不良。
The Shape of Jazz to Come / Ornette Coleman - Lonely Woman (1959) の原曲を聴きましたが、この演奏に関してはオーネット・コールマンの抜け切った音が魅力。チャーリー・ヘイデンのベースもなんとも軽快に不気味さを演出。



演奏曲
1.Ana Maria (Wayne Shorter)
2.Gingerbread Boy (Jimmy Heath)
3.You Know I Care (Duke Pearson)
4.Metamorphosis (Peter Bernstein)
5.No You, No Me (Kendrick Scott)
6.Speak Like A Child (Herbie Hancock)
7.Short Story (Kenny Dorham)
8.Lonely Woman (Ornette Coleman)



関連 youtube
Kendrick Scott "Oracle" - Hey It's Me
2010年12月頃 Kendrick Scott Oracle Live at Smalls NYC
Kendrick Scott (ds)
John Ellis (ts)
Taylor Eigsti (p)
Mike Moreno (g)
Joe Sanders (b)


Live at the Iridium NYC 2010年の音源

Ben Wendel (ts)
Mike Moreno (g)
Aaron Parks (p)
Harish Ragavan (b)
Kendrick Scott (ds)
by kuramae2010 | 2012-03-09 01:55 | jazz