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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Paul Bley / In haarlem /

Paul Bley / In haarlem /_d0157552_1175264.gifPaul Bley / In haarlem / Freedom

Paul Bley(p)
Mark Levinson(b)
Barry Altschul(ds)

録音:1966.11



ポール・ブレイがJAZZシーンの中で、異質な輝きを放っていた1966年のオランダ、クラブ ハーレムでのライブ盤。
本作前後に「Ramblin'(1966)」や「Ballads(1967)」とポール・ブレイが残した数多ある作品の中でもかなりエッジが立った時期の演奏です。


収録曲は「Blood」と「Mister JOY」の2曲。
「Blood」は約2ヶ月前に録音された「Ramblin'」同様、覚めた硬いエネルギーに満ちた演奏で空中分解しそうな雰囲気と絡み度合いがダイナミック。・・・聴く方はけっこうな気力がいります。「Mister JOY」は1曲目同様、3人の緊密感あるテンションと溢れるスイーツなメロディのバランスが絶妙な演奏。


Mister JOY
ポール・ブレイのピアノは、時にギクッとする重ねた音が穢れるギリギリな感じで螺旋上を激しく昇り降りするようなサウンドと、凄まじく美しいフレーズが顔を見せる強烈な多面性があります。

3人の高いテンションの中で、甘暗さやエキゾチックな香りはマーク・レヴィンソンのベース。途中でガラッと路線変更するように聴こえます。バリー・アルトシュルの中空でカツーンと決まるシンバル。少し奥で鳴るスネアの広がりと決まるリムショット。

このアルバム録音はあまり良くないですが「Mister JOY」のセッションは大好き。24分弱の演奏が短く感じる。演奏と観客との落差は大きいです。


1960年代後期頃、超イケメンだったポール・ブレイは、
『演奏は、その前に自己の哲学したあとの云々(重要な部分を忘れましたッ)』
・・・残り滓みたいなムツカしい概念でトリオフォーマットを極めようとした、と語っていました。
by kuramae2010 | 2012-01-10 00:58 | jazz