うつし世は夢、夜の夢こそまこと

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Tigran Hamasyan / Mockroot / Nonesuch

d0157552_23583212.jpgTigran Hamasyan / Mockroot / Nonesuch
Tigran Hamasyan (piano, voice, keyboards, synths, sound effects)
Sam Minaie (b)
Arthur Hnatek (drums & live electronics)
Gayanée Movsisyan (voice on track 5)
Areni Agbabian (vo)


Ben Wendel (sax)
Chris Tordini (b)
Nate Wood (ds)
リリース:2015.2.17



Tigran Hamasyanの新譜です。レーベルがNonesuchとなりました。

好きな人はハマるし、ダメな人は駄目という盤

『Shadow Theater』からよりテーマが深彫りされた『Mockroot』なんですが、、、どちらもベースにはルーツ色があって双子のような関係。こちらはプログレ系ロックやメタル、ダブステップetc.の引き出しと以前より鮮明化したアルメニア系のサウンドと交錯してます。


プロローグから2曲目の「Song for Melan and Rafik」のテーマは祖父母へのオマージュで独特なボイスのハーモニーとリズム変化、揺らぎや緩急が激しい楽曲で42/16拍子。一聴してハマシアンらしい演奏。3曲目の「Kars 1」はトルコとの国境の町で起きた歴史をテーマに、9曲目と連動してます。ゆったりとしたグル―ヴ感に左手のおどろおどろしい響きが重い衝撃を感じさせる。「Double-Faced」も複雑な変拍子と2つのテーマが交錯しアコピとエレクトロニカ、さらにダブステップっぽさががゴチャっとした猥雑感を醸す演奏。ハマシアンらしいピアノが聴けますね。

「The Roads That Brings Me Closer to You」のボイスはGayanée Movsisyanでアルメニアのボーカリスト、クラシック系の方かな?ルーツ色がノリます。「Entertain Me」は一聴いてハマシアンのコンポジション・演奏とわかるもので、256/32拍子から35/16拍子に変わるらしいです。
「The Apple Orchard in Saghmosavanq」は12世紀のアルメニアの修道院をテーマにした楽曲。後半は動的なモチーフがあらわれてきます。「To Negate」はリズム変化と民族的な色合いがせめぎ合い、演奏もエッジがたってる。「Out of the Grid」ラスト曲は長いです。吟遊詩人のようなボイス&ソロ曲もあります。


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激しいリズム変化などを聴いていて感じるのは、ハマシアンの現代と、故郷の過去と風景が交互に交錯しつつ表現されているのかな、...しかもそれは、彼の近しい人達ともリンクしているという.......立体的です。

『Shadow Theater』や『Mockroot』のベースにある"アルメニア"ですが、なんでここまでテーマにするのか、レーベルサイトや他をナナめ見たところ、ハマシアン自身はモノ心ついてから10年以上は米国のアルメニア系アメリカンのコミュニティで生活していたらしく、その当時は19世アルメニアやロシアの詩をよく読んだそうです。多感な時期は米国に居たという。ここ1年ほどは意識的にアルメニアの首都エレバンをベースに生活し、アルメニアの歴史や第一次大戦ぐらいまでの家族の歴史を紐解いたようです。目覚めたのは最近なのかもしれませんね。


なぜ彼がアルメニア文化や民族音楽にこだわるのか?
ハマシアンの故郷はトルコとの国境近くのGyumriだったせいもあり、家系は苛烈な歴史に翻弄されたと想像できます。ただ、彼自身は政治的な色合いを音楽で色濃く表現することは否定しています。
それでも、『アルメニア』を表現しようとする最大の背景にはおそらく、自国の分割やトルコがあるんじゃないかと思います。アルメニア自体は紀元前1世紀まで遡れば、大アルメニア王国と呼ばれ、古いらしいのです。現在のアルメニアはオスマン帝国時代の少数民族が近代アルメニアを形成(国の分割ですかね)してきたようです。さらに第一次大戦時の悲劇に納得できる答えが未だにありません。近い状況は中東・北西アフリカでもあります。アイデンティティ・クライシスまでいかなくても近い感覚があって、表現者として忸怩たる思いがあっても不思議ではありません。ハマシアンはまだ20代後半のピアニストですが。。

彼自身がLiveなアルメニア音楽で、歴史の束縛を解き放ちたいという、自由な意志に満ちているともいえます。真っ白になって聴くと活き々した音楽が映像的にひらくよう。

たしか4年前にはじめてハマシアンを聴いた時に、今って凄いピアニストがいてるんだなぁ、、と思いましたが、次回作はおそらくガラッと変わる、脱皮しちゃうんじゃないかと思います。もしくは完結編?






本人公式PV



演奏曲
1. To Love
2. Song for Melan and Rafik
3. Kars 1
4. Double-Faced
5. The Roads That Brings Me Closer to You
6. Lilac
7. Entertain Me
8. The Apple Orchard in Saghmosavanq
9. Kars 2 (Wounds of the Centuries)
10. To Negate
11. The Grid
12. Out of the Grid



これとかを聴いて、、、あらためて紀元前から近代までのヨーロッパ史・中東史ってのをざっくり読んでますw
おそらく数千回以上の戦争や目まぐるしい民族の移動や融合があって、ルーツにこだわる所以も然もありなんです.........
by kuramae2010 | 2015-02-20 00:22 | jazz | Comments(0)

youtubeの中のTigran Hamasyan





Tigran Hamasyan "Shadow Theater"
Tigran Hamasyan (p)
Areni Agbabian (vo)
Ben Wendel (ts)
Chris Tordini (b)
Nate Wood (ds)
映像:2013.9


Tigran Hamasyan の"Shadow Theater"というアルバムからの2013年パリでのLive動画。
途中で映る客層に驚きました。白髪の60代、70代っぽい方も多い・・・枯れてない

ジャズを聴かない同居人もTigran Hamasyanが聴こえると「誰の?」と振り返ります。聞くと、音楽が面白いのと変わった響き、太陽のような、、、子どもが祈っているようにも感じるらしい。そもそもジャズっていうサウンドではないんですが。。

Tigran Hamasyanの音楽はアルバムより、youtubeで多く聴かれてそうです。このLive音源の方がアルバムより"らしい"。。28分過ぎからのベーシックなピアノトリオ演奏は圧巻、、ですが、彼にとってはほんのごく一部だということがわかります。他の動画でTigran Hamasyanのサウンド作りを撮った映像がありましたが、なんでも楽器にして創っていく姿は「音の子ども」そのもの。







「Shadow Theater」は音楽の幅とか時空、奥行きの深さ、世界観の広さから、覚醒させてくれる要素大!
音源はyoutubeの中のLiveに中毒ぎみ。
by kuramae2010 | 2014-06-14 00:28 | jazz | Comments(0)

Tigran Hamasyan / Shadow Theater / Sunnyside

d0157552_0434919.jpgTigran Hamasyan / Shadow Theater / Sunnyside Communicat
Tigran Hamasyan (piano,keyboards)
Areni Agbabian (vo)
Ben Wendel (sax)
Sam Minaie (b)
Chris Tordini (b)
Nate Wood (ds)


Jean-Marc Phillips Varjabedian (vin)
Xavier Phillips (cello)
Jan Bang (programming)
David Kiledjian (programming)
リリース:2013.10





Shadow Theater、、ジャズっていう範疇からブレイクスルーしちゃってるTigran Hamasyanの2013年盤。
想像したジャズの快楽はうすいです。けど、すっごいクリエイティブな音楽です。

ちなみにTigranは2006年の「Thelonious Monk International Jazz Piano Competition」の優勝者でもありますが、この時の2位はGerald Clayton、3位にAaron Parksという顔ぶれだったことを最近知りました。


不思議な時空とエナジーが捩れた「Shadow Theater」。
1曲目の「The Poet」の出だしで、あちゃっていう気配を感じた方も多々居たんじゃないかと思います(僕もその1人...)。最近、グラスパーやエスクリートと共に聴き返してます。「Erishta」もヘタウマボイスで不思議空間へ誘われます。

「Drip」とかのエキゾチックなリズムの不可思議さとピコピコなエフェクトのmix、郷愁に満ちたボイスとか、なつか新しい。7曲目の「The Court Jester」も躍動的なビートとボイス。。
「Pt2 Alternative Universe」 はピアノに向ってますw 対峙してます。演奏全体の緩急がすごい。が、途中でボイスが入りアルメニ色が濃くなります。これとか別にボイスは要らない気がします。「Holy」はまったりした歌曲です...

アルバムラスト「Road Song」 はDripのストリングスver.っぽい曲。エネルギッシュ。曲途中にアルメニア語?でなんか挟んでます。なにか漲ってますね。自国の旋律とリズムのインパクト、緩急。




アルメニアを愛して止まない?Tigran の「Shadow Theater」のベースにはアルメニアのカルチャー、民族音楽がながれてんですが、Tigranはマッハでグローバル化している世界の中で、アルメニアを基軸に自己を哲学すると公言している人でもあります。
彼の言うところのグローバリズムは価値の均質化的なことを危惧しているようです。例えばスタバやマック、ユニクロ的なことに始まり、ネットによるボーダレス化などなど。どこへ行っても同じような世界が広がることがおもしろくないような節があります。日本では2000年代からロードサイドにモールが展開され、同じようなテナントが並び、旧市街地か空洞化していってることが言われたりします。経済ボーダレス化の音楽版?


思うに、Tigranは文化までグローバルするなら、逆流しちゃえっていう発想がアルバムづくりにあるのかもしれません。取り組み方はちがいますがRobert Glasper Experiment ノリ。。。

以前に観た、2011年のTigran HamasyanとAri Hoenig、Sam Minaieとのトリオ演奏時のダイナミズムやタイム感の衝撃を思うと、シンプルな共通語だけで突っ走る表現だけの盤も聴きたいと思わせる数少ないピアニスト。メインストリーム、現代コンテンポラリーの真ん中へ獅子の如く。




演奏曲
1. The Poet 
2.Erishta 
3.Lament 
4.Drip 
5.The Year is Gone 
6.Seafarer 
7.The Court Jester 
8.Pagan Lullaby 
9.Pt. 1: Collapse 
10.Pt. 2: Alternative Universe 
11. Holy 
12.Road Song







by kuramae2010 | 2014-04-20 00:53 | jazz | Comments(0)

Tigran Hamasyan / World Passion / Nocturne・harmonia mundi

d0157552_23242391.jpgTigran Hamasyan / World Passion / Nocturne・harmonia mundi

Tigran Hamasyan (p,el-p)
Rouben Harutyunyan (duduk,zuma)
Ben Wendel (ss,ts)
Francois Moutin (b)
Ari Hoenig (ds)
リリース:2006.4



地に足がついた17歳の音楽。
音が鳴った瞬間から期待できる、、、2006年のティグラン・ハマシャンのアルバム。
最近の盤やライブ映像で聴かせる自由奔放なアプローチは感じませんでしたが、いい盤。
アルメニア古典・民族音楽からの発想とワールド・ワイドなリズムのシンクロ。

1曲目の「 World Passion 」、フランソワ・ムタンとアリ・ホーニグは最高!斬れも、うねりも、変化するリズムもドライブ感もすごい。ムタンのベースってなんとも魅力があって埋もれない弾力感。リズムが際立ったタイトなテーマからハマシャンの渋いフレージング。途中から楽想がガラッと変わり民族色がのったベン・ウェンデルのソプラノに当初のタイトでドライなリズム、という変わったコンポジション。2曲目も変わったリズムで拍子が複雑に変化。演奏に躍動感や一体感が生まれる、リズムと呼応する(ズラす)ハマシャンの左手は17歳時にやってたんですね。

民族色が強い「 These Houses 」で、尺八のような音色を奏でるルーベン・ハルテュニアン(カナ?)。
楽器は『ズゥズク』かなあ?これの音色が矢鱈といい!壊れそうなビブラート、揺らいだ音、すごい存在感。憂いあるハマシャンの粘ったタッチ、一音一音の粒立ちは17年しか生きてない人生の音だろうか?浮ついた音がない。。。2人を支える、うねりは骨太なムタンと繊細で大胆なホーニグの技。1,2曲目のコンポジションや聴かせどころをガラッと変えるあたりは録音のちがいにもあらわれているようです。たしかに楽曲や楽器のちがいも大きいのですが、ハルテュニアンと洗練されたテクニックを駆使するウェンデルとは、伝える技術が大きくちがうようです・・・

9曲目「 What is This Thing Called Love 」のハマシャンのフェンダー・ローズ、ムタンの妙に跳ねるベース、中低域の筋肉感。ホーニグのブラシが冴えたトリオは疾走感たっぷりのアレンジ。メンツに恵まれているのも彼の才能の故か。サックスで参加のベン・ウェンデルとは6年前からプレイしていたんですねぇ。ウェンデルの音色は細めでなぜかピーキーに感じる。


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ハマシャンはタッチの粘りや"線"の重さに耳をとられる。薄くない、浅くない感覚。迸る躍動感も魅力で2011年、母国エレヴァンでのアリ・ホーニグ、サム・ミナィエ(カナ?)とのライブ後半は圧倒的。リズムとスリルある絡みがたまんなく良いです!イケイケだけでなく、しなやかな感性で哀感あるオリジナリティも展開。



・・・10代後半ですでに独自なサウンドを獲得していたピアニストと再確認した盤でした。
ハマシャンのインタービュー記事で忘れられないのが、
「グローバル、ワールドワイド化していく世界の中で、自分の立ち位置を確認する音楽・・・」


今も、これからも進行形でその可能性は無限大。
同世代ではギターのジュリ・レイジとかぶります。。

ティグラン・ハマシャン、録音時17歳のときのリーダー盤。



演奏曲
1. World Passion
2. What Does Your Heart Want
3. These Houses
4. Part 1 : The Fruit of the Truth
5. Part 2 : Eternity
6. The Rain is Coming
7. Mother's Lament
8. Frosen Feet
9. What is This Thing Called Love
10. Native Land
by kuramae2010 | 2012-10-20 00:18 | jazz | Comments(0)

Ben Wendel / Frame / Sunny Side

d0157552_0261682.jpgBen Wendel / Frame / Sunny Side

Ben Wendel (ts, basson melodica)
Gerald Clayton (p) 1.2.3
Tigran Hamasyan (p)4.6.7
Adam Benjamin (fender rhodes,p)
Nir Felder (g)
Ben Street (b)
Nate Wood (ds)

リリース:2012.02.28



WBGOで聴いて仕入れたベン・ウェンデルの2月リリース盤。スタジオセッションではギターがギラッド・ヘクセルマン。
この盤の決め手となったのは、3曲づつ好きなピアニストが競演しているため。ジェラルド・クレイトンとティグラン・ハマシャン。

2月リリースすぐに購入し何度か聴きましたが、一聴目は今イチよくわかんなかったw 何度か聴いても聴くツボが何とも掴めてません。たしかに凝ったハーモニーや巧みなサックスではあります。
1,2,3曲目に参加しているジェラルド・クレイトンはソロ以外での存在感が薄い傾向、もしくは周りと馴染みすぎる感じ。ティグラン・ハマシャンとプレイするドラマー、ネイト・ウッズ(?)も薄目。。3曲目のガレスピー「Con Alma」がデュオで、ベン・ウェンデルのハスキーに漂うサックスとクレイトンのしなやかさが活きたトラック。絶妙な温度感をうまく丸っこく、陰影感付けて仕上げたミキシングとマスタリングはドラムのネイト・ウッド。

4曲目「Backbou」に参加のティグラン・ハマシャン、アダム・ベンジャンミンでガラッと空気感が変わります(コンポジション自体がちがうという、さらにアダム・ベンジャミンもピアノで参加)。とたんに「活き活き」するフロー。ハマシャン節が出るというわかりやすさもあるかもしれません。。続く「Jean and Renata」はピアノレス、サックスがメイン。ウェンデルの音が細く、どうしても1~3曲目と同じトーンやフレージングのパターンが同じように聴こえてしまいます。好みがわかれそう。

アルバムタイトル曲 「Frame」 このアルバム内ではダントツにいいトラック。ウェンデル会心のソロ!
壊れそうなリズムの上で踊る、ティグラン・ハマシャン、熱い!



演奏曲
1.Chorale
2.Clayland
3.Con Alma (D.Gillespie)
4.Backbou
5.Jean and Renata
6.Blocks
7.Frame
8.Leaving
9.Julia




関連 youtube
Ben Wendel - New album now available !


Ben Wendel "Frame" Live at the Blue Whale, LA
Saxophone : Ben Wendel
Piano: Tigran Hamasyan
Fender Rhodes: Adam Benjamin
Guitar: Larry Koonse
Drums: Nate Wood
Bass: Dave Robaire



Ben Wendel "Backbou" Live at Jazz Gallery, New York

Bassoon: Ben Wendel
Piano : Tigran Hamasyan
Guitar: Gilad Hekselman
Drums: Nate Wood
Keyboard: Adam Benjamin
Bass: Ben Street

Recorded on february 17th and 18th 2012 at the Jazz Gallery, NY
by kuramae2010 | 2012-06-07 00:33 | jazz | Comments(0)

Lars Danielsson / Liberetto / ACT

d0157552_2465134.jpgLars Danielsson / Liberetto / ACT
Tigran Hamasyan (p, M8:vo)
John Parricelli (g)
Arve Henriksen (tp)
Lars Danielsson (b, cello, M8:Wurlitzer piano)
Magnus Öström (ds,per)
リリース:2012.01.27




そんなに多くは聴いてませんが、パッケージやライブ音源などから、
ティグラン・ハマシャンは爆発的に溢れ出す感性を自由に音にできる技術と独自な表現力を秘めた稀有なピアニストかと思います。現在20代のジャズピアニストの中でもトップクラスの実力。

一方、リーダーのラース・ダニエルソンは2000年代のリーダー作5,6を聴く限りでは、相当に練ってスタジオ入りする前に出来上がった彼の世界を緻密に再現するようなスタイルで、即興部分はほんの僅かなスペースしかないように感じます。特に「 Libera Me」 や「Melange Bleu」 は様式美が強いアルバムで、あのサウンドで、物語のような展開だとティグラン・ハマシャンは活きないんじゃないかと心配しつつ聴きました。

この盤には解散を余儀なくされたe.s.tのドラマー、マグナス・オストロム(オストーム)にも興味が湧きます。


12曲中、9曲がラース・ダニエルソンのオリジナル。2曲がティグラン・ハマシャン。1曲が共作。1曲が中世アルメニア曲。



Liberetto

ファースト・インプレッション
1曲目はティグラン・ハマシャンの「Yerevan」。アルメニアの都市イエバンをイメージした小品から。
2曲目はアルバムタイトル曲「Liberetto」。可憐な内向きなテーマをティグランが音数少なめに、、、聴きやすさ満点。さらに音数しぼって弾く。ピアノの純度は流石です。バックに寄り添うラース・ダニエルソン。
・・・4分53秒でさらりとEND。

4曲目「Orange Market」ティグランとジョン・パリセリ(かな?)の繊細なユニゾンからピアノソロ、ベースソロ、ティグランの5分ぐらいからのソロはワールド・ワイドで奔ってる!

6曲目「Svensk Lat 」エキゾチックなテーマ。ティグランのオリジナル。序盤からじょじょに盛り上がっていく風な繰り返し。ミステリアスさが増しタッチの太さ、ダイナミックさ・・・。普通ならこれからか・・・と思ったところでEND。演奏の長さが短い感じです。

7曲目の「Hov arek sarer djan 」はティグラン・ハマシャンが選んだアルメニアの古典をラース・ダニエルソンがアレンジしたような演奏じゃないかな。Tigran Hamasyan / New Era に収録されていたオリジナル曲「Leaving Paris」やTigran Hamasyan / a Fableの「Longing」、などはラース・ダニエルソンと距離をほとんど感じさせません。


・・・

ジャケット「ティグラン・・・だけ」のクレジット

どこにも「Tigran Hamasyan」というフルネームでのクレジットはないので、
Liberettoだけのキャラクターなのかもしれません。

このアルバムでの「ティグラン」は、ラース・ダニエルソンがイメージした穢れない世界の若き住人として過ごしたようですが、ティグラン・ハマシャンは生々しい躍動感と溢れ出る表現にこそ真価があると思います。どちらの姿もありなんでしょうね。


All aboutインタビューでラース・ダニエルソンはこのアルバム制作する時、自身のスタジオで提供した曲を元に1週間程泊り込んでディスカッションしてつくったそうです。また『ティグラン・ハマシャンはピアノの上では本物の怪物だ』と語っていました。この盤ではどこにその怪物が潜んでいたのかわかりませんでしたw




演奏曲
1.Yerevan (Hamasyan, Tigran)
2.Liberetto (Danielsson, Lars )
3.Day One (Danielsson, Lars )
4.Orange Market (Danielsson, Lars)
5.Hymnen (Danielsson, Lars)
6.Svensk Lat (Hamasyan, Tigran)
7.Hov arek sarer djan (traditional)
8.Party On The Planet (Danielsson, Lars)
9.Tystnaden (Danielsson, Lars / Hamasyan, Tigran)
10.Ahdes Theme (Danielsson, Lars)
11.Driven To Daylight (Danielsson, Lars)
12.Bla Angar (Danielsson, Lars)





じっくり、聴きかえしてみたいとおもいます。
by kuramae2010 | 2012-03-09 02:52 | jazz | Comments(3)

Tigran Hamasyan / a Fable  , Tigran Hamasyan / New Era

d0157552_1952481.jpgTigran Hamasyan / a Fable / Verve
Tigran Hamasyan (p,vo,etc)

リリース:2011.1.28





d0157552_1952458.jpgTigran Hamasyan / New Era / Nocturne Plus Loin
Tigran Hamasyan (p,key)
François Moutin (b)
Louis Moutin (ds)
Vardan Grygorian( duduk-M4,8 shvi-M4 and zurna-M8)

リリース:2007.11.20




昨年、イギリスのサイトでポルティコ・カルテットと一緒に紹介されていた、アルメニア共和国出身のピアニスト、ティグラン・ハマシャン(1987年生まれ)。ルイ・ムタン(ds)で探し、ひかかってきましたが、凄い若者。


好き嫌いもあるかもしれませんが、抜群な感性、才能に驚いた。
既に5年前に登場してるんですね・・・



・・・このピアノどっかで聴いた記憶。




Ari Hoeing PUNKBOP / Live At Smalls / SMALLS LIVE

この時もよくわかんないけど、印象に残ったピアニストでした。


そんなティグラン・ハマシャンのトリオとソロ盤。
トリオ盤「New Era 」に込めたコンセプトは、グローバル、ボーダレスしていく世界の中で自身のルーツや立ち位置が流されていくことに対するアンチテーゼらしいです。
・・・自分が20代前半の頃はボケーっと終わってしまいましたが、考える根っこが違うわ。。。


ピアノが鳴って数十秒でごっつい才能をみせつけられるピアニスト。演奏によっては音数が半端なく多くて煩く感じる、クドく感じることもありますが、アグレッシヴで百花繚乱。トリオ盤はオリジナル曲とアルメニア民謡、スタンダードという構成。ソロ盤もオリジナルと中世のアルメニア曲などがある構成。民族色よりもピアノやボイスに魅了されるおすすめ盤。

ソロ盤でも演奏してましたが、昨年演奏したYoutubeの180度ちがうアレンジの「Someday My Prince Will Come」。リズムの面白さに好き嫌いあるかもしれませんが、テーマを弾いた後の即興が原曲を飛躍していく感じは感動的で旋律のバリエーションも多彩です。ロバート・グラスパーの「Enoch's Meditation」にインスパイアされたか?




Tigran Hamasyan Trio "Someday My Prince Will Come" @ La Maroquinerie (Paris)
Tigran Hamasyan (piano) playing "Someday My Prince Will Come"
at La Maroquinerie in Paris on November 21, 2011.
Sam Minaie (bass), Nate Wood (drums). A Fable variations concert series.


1時間ほどですが、2曲後半、3曲目からのティグラン・ハマシャンとアリ・ホーニグのタイム感、即興は鳥肌ですw

Tigran Hamasyan Performs at the Cafesjian Center for the Arts 2011


Tigran Hamasyan ' Shogher ' live in Yerevan 20 09 2011

Tigran Hamasyan (p)
Sam Minaie (b)
Ari Hoenig (ds)



Tigran Hamasyan & Aratta Rebirth #1
Tigran Hamasyan (piano)
Areni (voice)
Ben Wendel (sax)
Nate Wood (drums)
Sam Minaie (bass)
11/21/2009 Portes les Valence (France)



Tigran Hamasyan ' What the waves brought ' live in Yerevan 20.09.11
Live concer in Yerevan 20 september 2011

両盤を聴いて感じることは、音量の強弱。
さらにシーツ・オブ・タッチ?の如く降り奏でられるメロディ。
若きピアニストのダイナミズム。





そう言えば本日、東京マラソンがあり、近所でトップを走るマイケル・キピエゴ(ケニア)選手や
ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)選手、藤原選手らが走る姿を間近で観ました。

人があんなにも、しなやかに速く、遠くまで走ることに驚きます。

昨年は友達が出たりと、応援するようになりましたが、
トップ選手や市民ランナーの方々(着ぐるみ系のヒト)には感動を覚えます。



・・・しなやかで美しく躍動美が溢れるピアニスト、
ティグラン・ハマシャン。




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by kuramae2010 | 2012-02-26 19:56 | jazz | Comments(0)

Håvard Stubø , Ari Hoenig

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Håvard Stubø Quartet / Spring Roll Insomnia / BOLAGE
Håvard Stubøの4月の新譜です。2月に来日していたそうでたくさんのレビューがあります。・・・近所の神田岩本町で演奏していたとは!ヨナス・クルハマーの競演を観てリーダー作を探してきました。

Spring Roll Insomnia
1曲目の「Ringormens Vals 」頭のトルビョルン・ゼッターバーグのシンプルだけど難しそうな一定の弾むベース、縦横無尽に飛ぶクヌート・リースネスのサックス、ホーコン・ミョーセット・ヨハンセンのドラム、、、サイドプレーヤーのテクニックが充分聴き取れる憎い演出でこのアルバムに期待大。
1曲目の中盤から割り入るホーヴァール・ステューべのギターはフレーズではなく、一音、一音に弾みがついたような弾力感で跳ねる音。彫が深い音色というのか?弦が太く感じる。
ベースのトルビョルン・ゼッターバーグの弾力性も演奏に弾みをつけていきます。このグループは全員のベクトルが同じっぽくて気持ちいい。2曲目以降の演奏も素人耳でもこのグループの演奏レベルが尋常じゃなさそうな気配を感じまくるのでぐぐってみるとサイドを固めるメンバーはノルウェー北欧JAZZの猛者達でした。



d0157552_21451329.jpgHåvard Stubø Quartet / Spring Roll Insomnia / BOLAGE
Håvard Stubø (g)
Knut Riisnas (ts)
Torbjorn Zetterberg (b)
Hakon Mjaset Johansen (ds)

録音:2011.4.23



Håvard Stubø Quartet - Kivran!
Havard Stubo Quartet 26.03.2010.









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Ari Hoeing PUNKBOP / Live At Smalls / SMALLS LIVE

アリ・ホーニグ(ds)のSmallslive盤がようやく手元に。
一聴はジョナサン・クライズバーグ(g)とウイル・ヴィンソン(as)が印象的。やっぱ、クライズバーグのギターかなという印象・・・
2人がテーマを演奏しはじめると漂うクールさ加減がハンパないです(3.Rapscallion Cattle) 。

ところが、2回目に聴いた時の印象はガラッと変わった。


今度はドラムに意識がいくのですがこれ見よがしではなくリズム、拍子が細かく複雑に面白いように変化していってます。そこに絶妙に合わせていく、時に挑発(アプローチをいろいろ変える)してるのはピアノのTigran Hamasyan(カタカナ?)のテクニック。やはりアリ・ホーニグを核としたインプロビゼーション・ユニットだという感じです。特にピアノとアリが面白い。
4.Green Spleenはファンキーなナンバーですが、Tigran Hamasyanの強目の響き、コリコリしたシングルトーンなどアリ・ホーニグのリズムによる遊び方も普通じゃない!
6.Skaはベースのソロテーマからはじまり徐々にスカのリズムが顕れてくる。カタチが出来てくるプロセスが面白いです。

僕は、デスクトップオーディオで聴いている時、アリ・ホーニグがやっているドラムがわからなくなりました、余裕でw。クライズバーグ(g)のソロの裏で走るピアノ、、千変万化のリズムの上で全員でいろいろやってるようです。

・・・このグループの中で演るのは大変だろうなと感じる。。
あえて長尺なドラムソロを取り入れないところにアリ・ホーニグの自信、凄さがあります。なので、どの演奏も聖徳太子のような耳と処理能力があればもっと楽しめそう。たぶん都コンブ以上に噛み飽きないJAZZです、これ。




明日も聴くと何か発見しそう。

d0157552_21514020.jpgAri Hoeing PUNKBOP / Live At Smalls / SMALLS LIVE
Ari Hoenig(ds)
Will Vinson(as)
Jonathan Kreisberg(g)
Tigran Hamasyan(p)
Danton Boller(b)

Recorded on February 8th, 2010



Ari Hoenig and Punk Bop (New York) live at Road Trip, London

Live At Smallsとの演奏とは違う一面。
Ari Hoenig - Microcosm For Two - Zoom Q3 HD
大学でのワークショップだと思います。
Intro To Polyrhythms - Ari Hoenig and Johannes Weidenmueller
ドラム教則本のDVDからイントロ。4ビートとポリリズムの違い。60年代にマイルスが取り入れた?
Ari Hoenig - Moanin こんなコトするドラマーって。
テーマ、メロディをドラムで叩いている?
by kuramae2010 | 2011-06-12 21:56 | jazz | Comments(2)