うつし世は夢、夜の夢こそまこと

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Francesco Saiu / Nasciri / Dodicilune & Koine

d0157552_1274513.jpgFrancesco Saiu / Nasciri / Dodicilune & Koine

Francesco Saiu(g)
Stefano Battaglia(p)
Giulio Corni(b)
Fabrizio Saiu(ds)
リリース:2008




Francesco SaiuのDodicilune からのリーダー盤。レーベルと編成で入手。

以前から感じてましたが、Dodiciluneは粒立ちのいいクオリティ感あるサウンド。
ObliqSoundにとても近い感覚ですかね。

「Nasciri 」 演奏は相当、自由な枠で4人が対等に演奏してる感があります。
テーマがあってアンサブルしていく、もしくは練ったコンポジションとうより、即興の鮮度を録った感じ。
ただし、異様な内省感。動きがホボなくて、音数も少ない中での響きの重なり具合や音がパルシブに立ち現れる感じは緊張感があります。Stefano Battagliaもかなり癖がある人かと思うのですが、わりと封じられています。。

この盤のエンジニアはStefano Amerio。たしか2011年頃で初めて聴いた時に好き嫌いは別として、、
凄いエンジニアっぷりに驚いた記憶・・・ただし、これがカッコいいかどうかは別。。
今ではパッと聴きでわかるかも^^; 今でもカッコいいと思うのはマイケル・ペレス・シスネロス。ジェームス・ファーバーもですね。以前は好きじゃなかったマイク・マルシアーノもカッコよく感じます。

オーディオ的なクオリティ感はステファノ・アメリオで、この作品の影の立役者かもしれません。




演奏曲
1.Circles
2.Palindroma
3.Songno
4.Istudiu
5.Nasciri
6.Diciannovesimo Gradino
7.Galana
8.Danza Trasfigurata
9.Linas


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by kuramae2010 | 2015-08-28 01:06 | jazz | Comments(0)

Stefano Battaglia / Re:Pasolini / ECM

d0157552_31156.jpgStefano Battaglia / Re:Pasolini / ECM

Disc1
Stefano Battaglia (p)   Michael Gassmann (tp)
Mirc Mariottini (cl)      Aya Shimura (cello)
Salvatore Maiore (b)    Roberto Dani (ds)




Disc2
Stefano Battaglia (p) Dominique Pifarey (vln)
Vincent Courtois (cello) Mruno Chevillon (b)
Michele Rabbia (per)

リリース:2007年05月03日



Re:Pasolini 、純度が高くて、対象物が透けて視えそうな世界、1枚目。

ステファノ・バタッーリアの2007年リリースの旧譜。ECM2枚目となる2枚組。
アルバムはイタリアの詩人、映画監督のピエル・パオロ・パゾリーニをテーマとした構成で、ディスク1とディスク2はアプローチがちがいます。パゾリーニはピュアな変態倒錯者っぽいけど、60年代の熱い時代、イタリアの若者にメッセージを送った一人。フェリーニの脚本も執筆。

とは言っても、良く知らないのでパゾリーニ研究サイトを読みました。面白い!
高度なエログロさを発揮した人でかなり破天荒な人生を送り、嘘みたいな死を迎えた人でした。
the one and onlyPIER PAOLO PASOLINI !!
おもしろくパゾリーニがわかるサイト。



1枚目は旋律主体でハーモニーや調和する響きなど"棘"のない風光明媚な演奏。ピアノ一音、一音の純度はすこぶる高く、安定感もあり、淀みがない音。世界観はジャズっていう範疇からほど遠いw しかし、根底にはパゾリーニが横たわっているので底は見えないほど深いのかもしれません。。。
「Canzone di Laura Betti」は、パゾリーニの映画に出演した女優さんの名前で、ジャケ写のエキゾチックな美人だと思います。マイケル・ガスマンのトランペットと母性を感じる?志村綾さんのチェロは、サーカスからの帰り道を親子で無言で帰るような雰囲気の印象的なトラック。続く2曲目「Totò e Ninetto」も俳優の名前で、まさに下のような”帰り道”的なカットを感じる演奏。何処まで歩くのか?行き先はある?ずっと同じ旋律を繰り返す演奏。グレーでまろやかな短調な展開なんですが、演奏中たった1箇所だけ調性が明るく変わる小節があります。
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パゾリーニの高度に洗練?された破滅的なグロさは影を潜めたコンポジション。
いやに美音過ぎる。

ディスク1は、夕焼け哀切系美音がずっと続きます。時折、奥にレイアウトしたシンバル、パーカッションが鋭利に鳴るので油断できませんw5曲目「 Fevrar」などバタッーリアが演奏をぐっと展開する際に出てくるボイシングからキース・ジャレットの影響がちょっとあるのかなと感じますが、タッチの湿度感や迸る叙情性はありません。チェロで志村綾さんが参加されています。

1枚目、北イタリアの田舎(Padania)や古い石造りの街を徘徊するようなイメージ。演奏では映画にちなんだタイトルが並びますが、パゾリーニの少年・青年時代も感じるような1枚?パゾリーニ研究サイトでイメージした人物像とは距離があるようです。



Disk2は即興的なアプローチ主体でダーク&ビターな演奏。1枚を通しで聴くことに苦痛を憶えた一聴目。
ほとんどリズムが乏しい即興なので、なかなか前へ行ってくれない。鬱っぽいイタリア人が演る停滞感あるフリージャズが最高だぜ!ってなるほどシンクロできない。。
それもで音々達が空間に満ちていく快感はあります。もっと聴けば、わかんのかも知れません。


「Re:Pasolini 」のエンジニアはステファノ・アメリオ。
現在、世界屈指のエンジニアの一人。特に演奏者の関係性や一音が表現する表現の幅・深度、音楽の場を創りだす天才?この盤ではミックスのディレクションがバタッーリア自身とマンフレート・アイヒャー。深い奥行き感や純度は非現実的な作品の世界観伝えやすくするものかと思います。。(この盤はムツカシイ)。音楽以外のアートや仕事でも必ずコンセプトがあると思いますが、ステファノ・バタッーリアの一連のアルバム「Re:Pasolini」や「 The River Of Anyder 」を聴いていると共通点があり、イタリアを初め過去の音楽家や思想家が残した表現やリリックを横軸で並べ、それらを素材に彼独自の表現で新たな命を吹き込み、一つのオリジナルなストーリーとして提示しているような感じです。その物語世界は広く、静かながらキリッと甘く、何やら深い底まで見せる世界観で、ピュアな理想像ってこういうのもあるよ、って聴かせてくれてる雰囲気。

好みは別として、音質は溺れそうなぐらい美音でちょっと残響過多。若干方向性はちがいますが、同じECMのマルチン・ワシレフスキの160%ぐらい美音。バタッーリアを聴いた後にワシレフスキ盤を聴くと、荒いかなと感じてしまう。



普段、激烈な日常を送っている人や、会議の連ちゃんなど、
人の間で揉まてる人におすすめな1枚w
熱帯夜にも効果あり?です



Disc1(全曲:ステファノ・バタッーリア)
1. Canzone di Laura Betti
2. Totò e Ninetto
3. Canto popolare
4. Cosa sono le nuvole
5. Fevrar
6. Il sogno di una cosa
7. Teorema
8. Callas
9. Pietra lata



Disc 2
1. Lyra I
2. Lyra II
3. Meditazione orale
4. Lyra III
5. Lyra IV
6. Scritti corsari
7. Lyra V
8. Epigrammi
9. Lyra VI
10. Setaccio
11. Lyra VII
12. Mimesis, divina mimesis*
13. Lyra VIII
14. Ostia
15. Pasolini
by kuramae2010 | 2012-07-30 00:01 | jazz | Comments(0)

Stefano Battaglia / The River Of Anyder / ECM

d0157552_0182539.jpgStefano Battaglia / The River Of Anyder / ECM

Stefano Battaglia(p)
Salvatore Maiore(b)
Roberto Dani(ds)

リリース:2011.8





ユートピア、理想郷。
いつの時代でも、どこに住んでいようと、ユートピアを夢想し続けDNAにまで刻み込んでしまったヒトという生き物。
そんなユートピアを丹念に音にしたのがステファノ・バタッーリア(バタッリア)の「The River Of Anyder 」。


イタリア出身のピアニスト、ステファノ・バタッーリアの昨年リリース盤。
アルバムタイトル「アニドラス川」は、かなりリアルで"生"な理想的な国家像を描いた15世紀の作家・思想家・法律家だったトマス・モアの「ユートピア」に出てくる川名。今思えばヨーロッパ+ユートピアかな?悪名高きヘンリー8世への当てつけ?とも取れたような内容だった記憶。お金がない国ですが奴隷はいる。そこそこ働く。音楽も聴け、信仰、結婚の自由もある共産自由主義っぽい理想郷だったような記憶。


1曲目「Minas Tirith」 タイトルのミナス・ティリスはトールキンの小説に出てくるたぶん城郭都市(城壁都市)がテーマ。音数が少なく余韻や打楽器による空間描写がすごいけど、ぜんぜんグルーヴしない。けど音がめちゃイイ。続くアルバムタイトル曲「The River Of Anyder」 彼が奏でるアニドラス川には、色々な思いまでゆったり流れる大河になっていくような気配です。楽想はセンチメンタルな甘いコンポジション・頭の中のイメージが溢れてきてるようなイメージ。

ロベルト・ダニ(カナ?)のドラム、打楽器の解像度と空間的なセンスが良いなぁ、と思いクレジットを見るとエンジニアはステファノ・アメリオ。エンジニアがベタな音作りをしてしまうとバタッーリアの世界観は世俗的なものになってしまいそう。

3曲目「Ararat Dance 」
イランの詩人・ペルシャ語でコーランを創った、ジャラール・アル・ディーン・ルーミーの詩からインスパイアされた演奏(ライナー)。ディーン・ルーミーはまるで知りません。曲、演奏も中東を彷彿させるコンポジション。延々と繰り返し上下していくテーマは静かに堕ちてくトランス感。。根底にはアジアとヨーロッパ(ローマ時代?)の接点。バタッーリアのピアノ、特に執拗なまでの低弦が不気味。

4曲目 「Return To Bensalem」 は フラシスコ・ベイコンの「ニュー・アトランティス」に出てくるユートピアから。。5曲目「Nowhere Song」アルチュール・ランボーからの。


しかし、美音。

演奏の静謐さや3人のテンションもさることながら、小さなプラスティック盤にパンドラのような空間を圧しこめた、ステファノ・アメリオ達のマジックに驚きます。

・・・でも、聴き込んでいくと、ぢわーっと疲労感を憶えます。
現実の猥雑感とほど遠い世界。。


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6曲目「Sham-bha-lah」 ヒルデガルト・フォン・ビンゲンという千年前にいたシャーマン(女性)の曲らしい。。キワっぽい。「シャンバラ」はチベット語で『幸せの源に守られた』という意味を持ったりしているみたいです。宇宙的なみたいな。演奏自体はアルバムの中ではストーリーや前進力があって15分ほどの演奏ですが動きがあります。7曲目の「Bensalem」は4曲目の微アレンジ。テンポ、アタックも若干アップ。同じ?幻聴、、ループです。

8曲目の「Anagoor」ライナーにはありませんでしたが、ミラノ出身の作家が書いた不条理なユートピア「アナゴールの城壁」。
24年間、門の前で待ったけど入れない男。さっと来てチンケな門から入ったと言われる男。少ない音数でアナゴールの城壁を、不条理な世界を、描いているかどうかは未だわかりませんw

9曲目「Ararat Prayer 」3曲目のアレンジ。リピートですが、テンポが若干遅く、音数も少ない演奏。アラビックなベースソロが消えてます。ラスト「Anywhere Song」エピローグ、どこでもソング。




ステファノ・バタッーリアが描いた理想郷は、一見穏やかなウェーブに溢れ、個の役割や全体の方向性が明確で厳しい。非現実的なユートピア、かもしれません。

焼肉や豚骨ラーメン、オッソブーコやピッツォッケリとかはここで食べれそうにない世界。
・・・自分が住めるかどうかは疑問です。たまに遊びに行くと、気持ち良いかも知れない場所。




演奏曲
1. Minas Tirith
2. The River Of Anyder
3. Ararat Dance
4. Return To Bensalem
5. Nowhere Song
6. Sham-bha-lah
7. Bensalem
8. Anagoor
9. Ararat Prayer
10. Anywhere Song



関連youtube
Ararat Dance

by kuramae2010 | 2012-06-15 01:11 | jazz | Comments(2)