うつし世は夢、夜の夢こそまこと

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Bill Evans / Complete Village Vanguard 1961 / River Side

d0157552_10486.jpgBill Evans / Complete Village Vanguard 1961 / Riverside

Bill Evans (p)
Scott LaFaro (b)
Paul Motian (ds)
録音:1961.6.25






現実と創造性のギャップが見事に収められている盤。
「Sunday At The Village Vanguard」と「Waltz For Debby」の元。

午後~夜までのセッションで22曲。。演奏順にレコード4枚になってます。
リンクさせてもらってるwooさんのところで知り、レコードプレーヤーがなかったのに入手してました。

コンプリートで演奏順、メモが揃うと、かなり切なくなるアルバムとも思えるし、
1961年6月25日のVillage Vanguardにタイムスリップしたような高揚感?すら覚えます・・・
と、同時にJVCの担当者の方の執念すら覚えます。


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見たかったのが"メモ"です。

すべてではないんでしょうが、わりと大雑把に書きなぐってあります。
小さく当日のギャラまであって、換算するとエバンスが約8~10万円程、ラファロ、モチアンが5万円程でしょうか。

おそらくその週のセットリストのフライヤーもありましたが、モンクは大きいけど、
見た感じではエバンスの記載はなし!当時の不人気ぶり(・・・まだ無名)が伺えます。

6月の日曜の「昼の部」の演奏がレコード1枚目、2枚目に入ってまして、
この時のリスナーや店員のやる気なさが気味悪いほどに伝わってくるリアリティ。思えば学生時代にPIT INNの昼の部に入り浸っていた時の感じから、想像がついたりします。。
「Complete Village Vanguard」をはじめ聴いた時、グラスがガチャっとしたりする音が窓(家)の外から聞こえたかと思うほどのシュールな気配。。
日常感バリバリの中で繰り広げられ、50余年後の極東のカフェでも鳴る"名演".......


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これはレコードもありましたが、CDは17歳のときに買ってから今もある。最近は聴いたことがありませんが、当時はノイズがどこでなるかも記憶してました。
演奏はもっとつっこんでた記憶でしたが、意外や優雅でクラシカル、またはミニマルなキュートさ?三人の集中力が凄い!ことは変わりません。モチアンがとても良いプレイをしていたのが一層よくわかるし、エバンスが別テイクでモーダル感バリバリにした上に音数増やしたりしてるところも面白いです。音階と色彩をかなり意識した演奏。


アナログ盤。CDと比べるとやたら音が太い(爆安なプレーヤーなのでボケてるっていう話もありますがーー;)。
特にD30085。今度こそ、僕の終のスピーカー(笑)で、聴くとぶっちぎって音がぶ厚い。マスタリングがいいんでしょうか?S8Rもありまして、、、これはそこまでではありません。

『やっぱアナログはいい・・・』みたいな野暮なことは思いませんが^^
同じ音源でデジタルになると、やたら細身でお品が良くなるか、ギスギスした感じになる傾向は気になる。
聴いててハッとするのがダウンロードだけになると面倒くさい。
4年前に自作したミュージック専用PCは、リッピングのめんどくささから、、、快適なネット・ブラウジング・マシーンへ変貌。。



演奏曲
(LP1:Afternoon Set 1)
Side-A:
1. Spoken Introduction
2. Gloria's Step - Take 1, interrupted
3. Alice In Wonderland - Take 1

Side-B:
1. My Foolish Heart
2. All Of You - Take 1
3. Announcement And Intermission


(LP2)
Side-A
Afternoon Set 2
1. My Romance - Take 1
2. Some Other Time
3. Solar

Side-B Evening Set 1
1. Gloria's Step - Take 2
2. My Man's Gone Now
3. All Of You - Take 2


(LP3)
Side-A:
1. Detour Ahead - Take 1
Evening Set 2
2. Discussing Repertiore
3. Waltz For Debby - Take 1
4. Alice In Wonderland - Take 2

Side-B:
1. Porgy (I Loves You, Porgy) - Live
2. My Romance - Take 2
3. Milestones


(LP4:Evening Set 3)
Side-A:
1. Detour Ahead - Take 2
2. Gloria's Step - Take 3
3. Waltz For Debby - Take 2

Side-B:
1. All Of You - Take 3
2. Jade Visions - Take 1
3. Jade Visions - Take 2
4. ... A Few Final Bars
by kuramae2010 | 2015-07-28 23:35 | jazz | Comments(0)

Bill Evans / Bill Evans Trio With Symphony Orchestra / Verve

d0157552_1142248.jpgBill Evans / Bill Evans Trio With Symphony Orchestra / Verve
Bill Evans (p)
Chuch Israels (b)
Larry Bunker (ds)
Grady Tate (ds)
with Symphony Orchestra
Claus Ogerman (arr, cond)
録音:1965





半世紀ぐらい前のBill Evans Trioとストリングスのアレンジ盤。
プロデューサーが、あの『Impulse!』 を起したCreed Taylor。当時「Atlantic Records」からコルトレーンを引き抜いたのもテイラーだとか。その後Verveへ移り、CTI設立。「イパネマの娘」なども。時流にノリノリだったようです。Bill Evans Trio With Symphony Orchestra ですが、録音日が9月、10月、12月と3回にわかれて、すべてVan Gelder Studioでの録音。


このエバンス盤、BGMも含めて1日でながく鳴らしてるテレフンケンのフルレンジが雰囲気で、約15年モノの英国キャノンスピーカーより硬めな雰囲気。20年以上つかっているB&Oの4500にセット。しかし、よく壊れないもんです。この時代のB&Oはフィリップス(オランダ)のパーツで出来てたはず。まだセットしてませんが、コーンツイーターも用意してみました。箱は2ドルで買った無垢板製へ。これの送料が10倍以上(--; というなんだか



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アルバム5曲目フォーレの「Pavane」は、ぐっとくる弦の浮遊感にエバンスのニュアンスもいいし。続く「Elegia」もしっとりと。ジャズヴァイブ奏者の赤松氏曰く「Time Remembered」のソロはダブルタイムで倍の速さらしく、「Kind of blue」中でも俄然光っていた「Blue in Green」と同じ奏法。ほとんどの曲はClaus Ogermanがやってますが、この曲のアイデアはエバンスかもしれません。



はじめて聴いたのは21,2歳の頃で、まったりしたムードで『だっ、ださっ・・・』
と思ったのですが、、いま聴いても、多少、アレンジが妖しい感じもしないでもないのですが、
その妖しさも何かホッとするという深い魅力。



演奏曲
1. Granadas
2. Valse
3. Prelude
4. Time Remembered
5. Pavane
6. Elegia (Elegy)
7. My Bells
8. Blue Interlude


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by kuramae2010 | 2014-11-17 00:48 | jazz | Comments(0)

Bill Evans Ⅱ

d0157552_1729868.jpgチック・コリアは仏制作のドキュメンタリーで

ビル・エバンスが残した最大の功績は、

『演奏における自由』だと言ってました。


ビル・エバンスは、kind of Blue収録後、執拗にトリオでの可能性を模索します。これは後に「インタープレイ」と言われました。3人が平等な立ち位置でソロ回しのみで完結しない、同時ソロ演奏的なかなり難しい「あうん」のスタイルだったと思います。




後にビル・エバンスは、実兄のハリー・エバンスをMCに「このトリオはすごい可能性を秘めている・・・プレイして3、4日目の演奏で突然なにかがはじけ、我々はすごい演奏をしていた。トリオの可能性を証明できた」と語った。インタープレイというスタイルを確信した時だろうか?次に「これは起こる事を待つしかない。求めて起こることはなかった」と語った。
The Universal Mind of Bill EVANS-The Creative Process and Self-Teaching 1966年より


Scott LaFaro solo bass ・・・7秒ほどでEND


インタープレイ確立のキーパーソン、スコット・ラファロのベースは聴く曲によっては、方向が定まらず破綻すれすれのような演奏(Live盤)に聴こえることがあり、ベースラインを引かずにピアノと絡む、ときにビル・エバンスの左手がベースライン担ってる?という意外性があります。エディ・ゴメス曰く、ビル・エバンスは「あーしろ、こーしろ、こーいう音が欲しい」みたいなことを一切言わないらしいのです。スコット・ラファロにも言わなかったのだと想像できます。故に無尽蔵にアイデアが沸くスコット・ラファロのベースの飛躍はピアノトリオでの斬新さ、演奏の自由さへとつながっていったと解釈できます。後にマークジョンソンも同様なことを語ってました。

ソロ回しがない演奏、もしくは重要性を置かない演奏だとすると、演者は耳をダンボにしてないと、トリオでの演奏自体がかったるい温いものになるか、奇跡的に凄いか、破綻するか、、、そんな危うさがあると思うスタイルです。一筆書きの水墨画のような・・・


コトが起こることを"確信的"に待つ、というスタイルがビル・エバンス。

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晩年期の音源や同時期テレビ局(伊)の収録で残っている演奏(DVD)を聴くと、、、狂気が深く宿った演奏としか聴こえないものがあります。第3期のラストトリオでの演奏。
Bill Evans Trio - Gloria's Step 1972
Bill Evans Trio - My Romance (tune3)1979

1979年当時は元内縁妻の自殺、実兄ハリーの拳銃自殺があった。本人はドラッグ中毒コカインなどでマーク・ジョンソンらから入院を強くすすめられていた中での演奏だと思いますが、どんな精神状態で居られたのか。

身体的な限界も自覚した状況下で、
ビル・エバンスにとって音楽とは何だったのかを思い巡らせると、
胸に迫るものがあります。

黄金期と言われるラフォロの時代とはちがった意味で晩年期の演奏は"抜けた"ダイナミックな名演が多い。
トリオフォーマットの中でもスタイルや型に囚われない自由な無方向性を志向するが、
取り巻く現実は、雁字搦めで逃れられない「死」への破滅的状況。
この落差、ギャップが紙一重の芸術性が宿る理由でしょうか。


チック・コリアの言った「演奏における自由」。
これがビルエバンスの人生や音楽を顕した言葉かなと思います。


Bill Evans - Pavane (Gabriel Faure)





常に進化・深化を求めて尽きてしまったビル・エバンスで好きな3枚は晩年の演奏。
ラフォロがいた時やお城のエバンスではなく、狂気渦巻くラストトリオ!


d0157552_21571692.jpgLIVE AT LULU WHITE’S / Gambit Spain
※2010/4/5に正式発売されたLive音源でここから晩年の演奏へ。。

Bill Evans(p)
Marc Johnson(b)
Joe LaBarbera(ds)





d0157552_21574437.jpgTHE LAST EUROPEAN CONCERT-COMPLETE / Gambit Spain

Bill Evans(p)
Marc Johnson(b)
Joe LaBarbera(ds)







d0157552_21581454.jpgCOMPLETE LIVE AT RONNIE SCOTT'S 1980 / Gambit Spain


Bill Evans(p)
Marc Johnson(b)
Joe LaBarbera(ds)
by kuramae2010 | 2011-05-29 19:14 | jazz | Comments(0)

Bill Evans 

d0157552_22313245.jpgyoutubeにあった1970年フィンランドTV局のインタビューを受け

演奏をする白人ピアニストは、

襟が斜めに曲がりジャケットから一方が出て、

前歯が抜け落ちた神経質そうな姿でピアノと向き合う。


一瞬、ジョニー・デップが演技してんのかと思う印象。。。



Bill Evans Trio - Nardis



エンリコ・イントラのCDに入っていたNardisを聴き、久しぶりにビル・エバンスを聴き返しました。マイルスなどと並ぶドメジャーなので、JAZZを聴く人なら1枚は買ってしまい好きになるか、嫌いになるかはっきりするピアニストかもしれません。

ビル・エバンスの出発点は6歳からはじめたピアノ。音大時代にはドビュッシーやハチャトリアン、スクリャービンを学び、卒業時は名誉学生にも選ばれた前途洋々の青年だったらしい。プロデビューはなんと13歳。。ベートヴェンの難曲も速攻でものにした天才肌だったそうだ。1970年に残されたインタビューでは「分析が得意で、本質を見ること、基本を知ることが重要・・・そして努力するプロセスを面白いと思えるように発想を転換した」と語っていた。夜はJAZZクラブ活動が盛んでアイドルはバド・パウエルだったと言われています。1956年録音の「枯葉」の演奏、晩年近くの演奏でも影響度があったように感じます。

ビル・エバンスがメジャーになるきっかけはジョージラッセルのグループにいた時で、マイルスのチェックが入り紹介された頃。発売時から今まで世界で1億枚セールスしたと言われる、ドメジャー盤「kind of blue」に参加した当時、マイルスのレギュラーグループのピアニストはレッド・ガーランドかウイントン・ケリーだったと思いますが、Kind of blueでは2曲目がウイントン・ケリーのみで後はビル・エバンスが参加。


特に「Blue in Green」と「Flamenco scketches」ではジョン・コルトレーンもキャノンボール・アダレイにしてもこの世界観にハマっていない雰囲気で、その分マイルスのミュートが浮き上がった演出すら感じてしまう。一方、ビル・エバンスは、ピンチヒッターだけあって、kind of Blueの世界観ではドンピシャな演奏を展開します。

なぜ、ビル・エバンスだけが表現できたんだろう?
その理由は3つ考えられます。たぶんにビル・エバンスが多感な時期にクラシックの和声、特に先にあげたドビュッシーの「モード」を吸収しJAZZへと変換できたこと。2つ目にビバップ、ハードバップにおけるコードの極限的な分解~再構築などの過程を俯瞰し、体得できたため。パウエルやパーカーを研究(たぶん、晩年期にも)。3つ目はマイルスが "知った" リディアン・クロマティック理論を演奏として、表現できていたからじゃないかと思います。マイルスはこれだ!!と感じたのかもしれませんが、理論構築は不得意だったのかもしれない。JAZZにおけるモード理論構築はジョージ・ラッセルの仕事かもしれませんが、最小ユニットでの実演・優れた表現、解釈はビル・エバンスが成し得たとも言えるかも知れません。この点が他のサイドマンとの根本的なちがいです。

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「Blue in green」は旋法主体というより、コードチェンジによる曲(そんな感じを受ける、テンションありの変な区切り?)だと思いますが、より移動間の希薄なトーンはマイルス以上。ビル・エバンスのバッキングとちょっと歪んだような和声。。。この曲・演奏に関してはピアノトリオとマイルスだけの方が純度が上がったのではと思ったりします。少し歪んだように感じるビル・エバンスの音(半音階フレーズ?)は、後のリーダー作でも頻繁に登場します。
※実質、Blue in Greenはすべてビル・エバンスの作曲だと思います。マイルスは「こんな曲にしてほしいよ云々」的な伝達で。

「Flamenco scketches」この曲もピアノが光ってます。これもビル・エバンスの作曲だと思いますが・・・音数の少なさで空間を描いていく、墨汁をにじませていく感じはマイルスとビル・エバンスだけ。。日本の墨絵を比喩にしたライナーノーツは有名です。サックスをなぜ音量を大きくして収録したか、、、この意図は不明と感じてしまいますが、現実感もしくは既定路線に戻る瞬間かもしれません(セールスのためか)。後にコルトレーンもこの理論体系を会得し、ハードな練習と独自のコード理論で後世まで影響を残していきます。

「So what」で残されてる映像では、コルトレーンのソロがはじまった時、ポーズなのかマイルスは興味なそうに煙草を喫いながら誰かと話してるしw マイルスは自らの音が活きるスタイルの模索として、バップの呪縛から抜け出し、新しい響きを確立する意欲的な作品(後に失敗作と言及)で、一番嵌っていたビル・エバンスを収録後、そっこーで解雇します。自身で辞めたのかもしれませんが、肌の色や何やらあったのかもしれません。


当時のビル・エバンスのどーしようもないドラッグ漬けが理由かもしれない。

パーカーに負けないくらいデタラメに破綻し、路上生活もアリな状態でギャラはほとんどドラッグに消え、
右手が腫れて使えなとか、指の震えとかかなりの破天荒ぶりで、
残された音源のイメージとはかけ離れています。


バド・パウエルに憧れ、当時の現代音楽への造詣も深い、
ドラッグ漬けの痩せた白人ピアニスト。

kind of blue の収録後、自身のトリオでより進化・深化させる方向へと進みます。








ビル・エバンス-インプロビゼーション・コンセプト
Dan Papirany氏によるビルエバンスの即興演奏概念を日本語訳したものです(ビル・エバンス研究室より)
B.クローマティック(半音階)フレーズ
エバンスは、早い頃から半音階を実験している。これはビバッププレイヤーがよく使っていたものだ。これらのフレーズは定期的にエバンスの演奏に登場し、70年代初頭まで発展し続けた。RE:PERSON I KNEW、BLUE IN GREEN、SINCE WE METなどのアルバムを聴くとこれら半音階フレーズが見られる。実験のとき、エバンスはこの半音階だけに専念していたわけではなく、通常のフレーズに取り込むことで最終的に更にカラフルな即興演奏へと発展させた。EX5では、中範囲にわたるインターバルから小範囲な半音階インターバルへと続く典型的なリックを示している。1小節目の1~2拍目はFm7のアルペジオ(3度で構成)、4拍目と2小節目の1拍目はCからBbへの半音階下降である。

ハーモニックアプローチ(和声への取組み)
エバンスのハーモニーは、他のミュージシャンに比べてとても高度である。彼はドビュッシーやラフマニノフ、ジャズではバドパウエル、チャーリーパーカー、ジョージシアリング等の影響を受けているが、管楽器のような即興演奏メロディでの影響はバドパウエルにある。ハーモニー(和声)ではジョージシアリング(ブロックコード)やジョージラッセル(モード奏法)の影響が見られる。マリアンマックパートランドのインタビューで、エバンスは偉大なジャズ演奏家すべてが影響したと断言している。エバンスの和音への取組みはクラシックとアメリカのポピュラーミュージックに起源する。1956年、彼がジャズシーンに初めて現れたときに見せた和声への取組みはとても新鮮なもので、既に自作の曲は和声的にとても高度だった。ある曲のコード進行が簡単なものである場合に、彼は自分の好みに合わせて変化させた。エバンスが2音ボイシング(発音)を使う場合のメインは3度と7度であり、モダンジャズやビバップの演奏者にこの取組みは非常に有名である。以下の例は2通りの2音ボイシングをCメジャーキーで示す。EX2aの最初と最後の和音は(ルート(根音)を除いて)3度を低い位置においている。 ビル・エバンス-インプロビゼーション・コンセプト




Maurice Ravel / L'oeuvre Pour Piano
マイルスが、モードを作り上げるときに、ビル・エヴァンスをとても重用したのが、この点です。マイルスが求めていたのは、ドビュッシーやラヴェルのような、ルートがはっきりしない、浮遊感がある、しかし曲全体を統括するものが明快な音楽だったといわれています。
 特にビル・エヴァンスはその点を表現するのに長けていたのでしょう。名盤「Kind Of Blue」では、すでにマイルス・バンドのレギュラー・ピアニストがウィントン・ケリーであるのに、録音時にビル・エヴァンスを使用しています。 (中略)
 ラヴェルは、ジャズに高い関心を持っていたようです。今回取り上げたアルバムには収録されていないですが、「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」という曲があり、この曲の第1楽章は、曲のキーに関して少々面白いつくりをしています。ピアノの楽譜はAフラット・メジャー、しかし、ヴァイオリンの楽譜は G・メジャーとしてあり、ヴァイオリンがピアノに対して、半音下で鳴るように設定されています。
 ピアノとヴァイオリンが対等の立場で演奏されるように作ってありますが、ヴァイオリン + ピアノという編成上、どうしてもヴァイオリンが際立ちます。思い切って、ピアノ側がヴァイオリンのバックであると考えると、ヴァイオリンの方が明らかに半音下がって聴こえるわけです。ジャズのブルーノートに近い効果を狙った曲であるのが明確です。
 実際、第2楽章は「ブルース」という名前がついています。 (略)
JAZZピアニスト 手島 慎一郎氏のサイトから。




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by kuramae2010 | 2011-05-29 00:04 | jazz | Comments(2)