うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Gerardo Nunez / TRAVESIA / ACT

d0157552_22294257.jpgGerardo Nunez / TRAVESIA / ACT

Gerardo Nunez (g)
Pablo Romero (g)
Albert Sanz (p)
Pepe Rivero (p)
and Others
リリース:2012.8



スペインのフラメンコギタリスト、Gerardo Nunez(ヘラルド・ヌニェス)の2012年盤です。

子供の頃、叔父がスペインの赴任先から帰国すると必ず珍しいお土産持参で遊びに来ました。お土産が楽しみで話を聞いてましたが、よく言っていた事で記憶にあるのが、『スペイン人の男は働かない!』 昼休みは自宅へ帰り、奥さんや彼女とワインを飲んでシエスタして、3時ごろに会社へ戻って来て、ひとしきり話して、1時間程仕事をすると、即帰ると嘆いていました。30分ほどでも残業で帰宅が遅くなると、「うちの旦那を殺す気かっ!」と嫁さんが会社に怒鳴り込んで来たとか。1日の労働時間は3,4時間なのに。

ガキの頃に聞いた時は学校と比べてでしたが、夢のような国があるんだな、と思ってましたw
今はスペイン人の旦那のような働き方が理想的ですw 理想ですけど、現実は・・・哀しい。

そんな人間らしい豊かな国のフラメンコ・ギタリスト、Gerardo NunezのTRAVESIAは大人なスパニッシュ・トーンで哀感が漂い、明るい中にもアンニュイな表情が混じるスペイン特有の陰影感があるアルバムとなってます。どの演奏もしなやかなタッチで唄うギターが印象的。
フラメンコも庶民の生が深く刻まれた音楽で、ジャズと同じような背景があります。私的には歌い手達がテーブルに座りアドリブで唄いまわす古典スタイルが大好きです。12世紀~15世紀頃のアンダルシアの祭りから由来し、17世紀頃に古典フラメンコがスタイルとしてまとまってきたようです。

アルバムタイトル曲「Travesia」だけが異質。Milton Nascimentoの名曲とは関係ありません。フラメンコ発祥の地アンダルシアが8世紀頃からイスラム王朝が治めていた事を具象的に想像させるボイス。曲が進むにつれてフラメンコのリズムや楽想があらわれ、ボイスや手拍子にのって床を踏み鳴らす音のコントラストが絶妙なサウンド。時空が横断的な意欲作です。

本盤ではピアノで参加のAlbert Sanzが有名でしょうか。



演奏曲
1. Itaca
2. No ha podio ser
3. Compas interior
4. Checken Dog
5. Tio Pepe
6. A rumbo
7. Tio Perico
8. Travesia


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余談ですが奥さんはフラメンコ・ダンサーだそうです。
by kuramae2010 | 2016-07-10 22:38 | jazz | Comments(0)