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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Samuel Yirga / Guzo / Real World Records

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年に6,7回出張で行く福岡。空港から博多まで地下鉄で2駅。中洲や天神もすぐ。近い。

街には余裕があって広い。飯も美味いし夜も深い。

いつも素通りする博多駅ですが、黒と茶を基調にしたシックな色合。大人っぽい。。


・・スマホに入れたサミュエル・イルガを聴きつつ徘徊したけど、、合わないw







Samuel Yirga / Guzo / Real World Records_d0157552_1215088.jpgSamuel Yirga / Guzo / Real World Records
Samuel Yirga (p,org, Fender Rhodes,midi,key)
Missale Legesse (kebero)
Endris Hassan (thiopian one-stringe)
Tewodros Alula (tp)
Jonathan Radcliffe(tp)
Yishak Dawit (tb)
Aklilu W. Yohannes (ts)
Feleke Hailu (ts)
Ben Somers (sax)
Dubulah (g)
Frew Mengiste(b)
Bernard O’Neill(b)
Clark Tracey(ds)
Yonas Yimam (per)
Greg Freeman (per)
Paul Chivers (conga)

Genet Masresha (vo)
The Creole Choir Of Cuba
Nicoletten

リリース:2012.6



エチオピア連邦民主共和国のピアニスト、サミュエル・イルガの2012年デビュー盤。

新鮮。

エチオピア古典音楽、アフロ&ラテン、ジャズ、ブルース、ファンクがミックスされた、カラフル解放系ミュージック。
遥か々むかしの『音欲』?を揺さぶるリズム。裏拍?独自なシンコペーションがあるようで、なんとも言えないキュートさ。ボーカルは日本の民謡に似た節まわしがあります。



1曲目「Abet Abet」。ブラスの合間で揺れるエチオピア古典弦楽器(1弦フィドル?)とフェンダーローズ、生々しい太いsaxがイカす(誰が吹いてるのか?)です。。。中東・ラテン・アフロが混在したエキゾチックなトラック。次の「Tiwista」はよく奔るベース!録音もいいし。ドラムンベースとジャングルを融合したようなリズムにコンガの絡みが新鮮。空間系エフェクターを通したサックスとブラスセクションが70年代ぽい響き。結果、近未来なファンキーな演奏。1曲目とは対象的。

シングルカットもされている「 I Am The Black Gold Of The Sun 」はクレオール・コーラスとニコレットが参加。原曲はRotary Connectionで、ハウス系のユニット、マスターズ・アット・ワークの「 Nuyorican Soul 」でリメイクし、ヒット。アルバムタイトル名【ニューヨリカン】はニューヨーク生まれのプエルトリコ人という意味。。マスターズ・アット・ワークなどのハウス系音楽からもインスパイアされてる風。俺も!みたいなw

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ソロピアノが2トラック入ってます。「 Dance With The Legend 」は独特で優雅。でも、ひっかかるエキゾチックさと躍動感あるピアノ。「 Drop Me There 」は瞬間、キース・ジャレットを彷彿とする演奏。2つのソロは対象的なアプローチでルーツと世界の鮮やかなコントラストが感じられる2曲(1,2曲目もですね)。

「 The Blues Of Wollo 」はエチオピアの古典からインスパイアされてそうな曲。。尺八のようなフィドル、発声が日本民謡のようなGenet Masresha。浮遊するピアノ、グルーヴするリズム。ちょっと凄いですw日本の土着的な民謡にも共通感がありそうで面白い。
・・・ググると、エチオピアの歌と日本の演歌と共通性も多いらしく、こぶしも利かすらしい。元は旧コンゴのリンガラ音楽からの影響や朝鮮戦争時代に来日したエチオピア兵が自国の歌と演歌が似ていてびっくりし、広めたとか・・・諸説あるとか。



イルガのピアノは、曲によって12音階ではなく、エチオピア音階で演奏したりするようです。緩急も独特。コンポーザー能力は高くアイデアが渦巻いてそう。音楽性はちがいますがティグラン・ハマシャンとかと共時性を感じます。

陳腐ですが、、エチオピアのカルチャーや音楽やラテン・グルーヴをルーツとしたアイデンティティと、世界中に拡大したブラック・ミュージック、特にキューバ、プエルトリコをクロスするような2010年代的ともいえるコンセプト。。グローバルさが加速する程、脚元を確認したくなる行為と拡大・融合する疾走感。。Real World.
底知れぬ感性を秘めた26歳。


羽田から乗った、モノレール越しのギトギトした夜景には奇妙にマッチ。。




演奏曲
1. Abet Abet (Punt mix)
2. Tiwista (Tinish mix)
3. Firma Ena Wereket
4. Ye Bati Koyita
5. Nou Se Soleil
6. I Am The Black Gold Of The Sun
7. Dance With The Legend
8. My Head
9. Drop Me There
10.The Blues Of Wollo (Dessye mix)
11. African Diaspora




Samuel Yirga - I Am The Black Gold Of The Sun




別ユニット「Dub Colossus」でのソース。Real Worldではこちらで先にデビュー。
Dub Colossus - Satta Massagana




2011年のソロ・ライブ
Samuel Yirga - Ambassel in Box Revisited (solo)

by kuramae2010 | 2013-07-30 00:19 | jazz