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うつし世は夢、夜の夢こそまこと

Diederik Wissels / Tender is the Night / B-Sharp Records

Diederik Wissels / Tender is the Night / B-Sharp Records_d0157552_21581289.jpgDiederik Wissels / Tender is the Night / B-Sharp Records
Diederik Wissels (p)
Philippe Aerts (b)
Jan De Haas (ds)

リリース:1990.   
リイシュー:2012.2.24 Igloo



オランダ、ロッテルダム出身のピアニスト、ディーデリック・ウィッセルスのデビュー盤の復刻盤。
版権元が「B-Sharp」です。現在はベルギーのIglooで、リマスタリングされ先月発売されたようです。

シズル感たっぷりのシンバルレガート!

DUの新譜試聴コーナーにあった盤で、1曲目の「niubi」からカツーン!シャーンとくるシンバル、、、テーマも良く、ノリもよく緩急あるグルーヴ感。


ヤン・デ・ハースの"カツーン"は決して強くはありませんが、アタックもはっきりしてて、シンバルのトップ付近中心部を叩きながら「シャーン」も同時に出すような美味しいところを鳴らすので、ジャズ耳には快感?このシズル感を殺さずにリマスタリングしたエンジニアはダニエル・レオン。


全曲、ディーデリック・ウィッセルスのオリジナル・コンポジションながら正統なアプローチ。2曲目は「zephir」では美メロにのったフィリッペ・アーツとの優雅なインタープレイ。続く「why not?」はキースのスタンダード・トリオを彷彿しますが、過度な耽美性がなく鮮やかな感じ。ヤン・デ・ハースのドラムはこのトリオでは弾んでて音も多彩。「pandora」は煌くシンバル、ちょっとリバーブ深め。美メロとベールが1枚とれたような華々しさがある夜を偲ばせるバラード。続く「ce que je pense que tu penses que je pense」はハードなタッチの曲で3分少々の演奏。バリエーションっぽい。

6曲目のアルバムタイトル曲「tender is the night」や「listen to the loon」は、超美メロで爽やかなダンディズムが漂う雰囲気。この演奏でも感じますが、ピアノの音が明るくライトなので湿っぽさや耽美性、ダーク感はない。「ta matete」出だしスカっぽい感じのリズムの上にマイナーでエヴァンスっぽいボイシングで不思議なサウンド。このアルバムで唯一意外性を感じる演奏。


エンジニアの仕事って重要ですね。
この盤のドラマー、ヤン・デ・ハースは自身のリーダー作でもダニエル・レオンを起用しています。自分の演奏、サウンドの理解者であることを知っているんでしょうね。




演奏曲(全曲:ディーデリック・ウィッセルス)
1.niubi
2.zephir
3.why not?
4.pandora
5.ce que je pense que tu penses que je pense
6.tender is the night
7.listen to the loon
8.where were you?
9.ta matete
10.epitephe pour la bolqique
by kuramae2010 | 2012-04-01 22:09 | jazz