DUO
今月購入したCDとDVD。御茶ノ水にユニオンのJAZZ館がリニューアルされたせいか、若干多くなった。
最近は聴くことがめっきり少なくなったコルトレーン。久しぶりのコールトレーンは1961~1963年の欧州ツアーから『1963/ヨーロッパツアー』。マッコイ・タイナーやエルヴィン・ジョーンズがのびのびとプレイしている。。他にパットメセニーとチャーリーヘイデンのDUO『ミズリーの空高く』や、エンリコ・ピエラヌンツィとチャーリーヘイデン、ビリー・ヒギンズの『First Song』をよく聴く。
高三あたりから20代前半はインパルス!のコルトレーンを理解してみよーとして頑張って聴いたけど、曲の一部やアドリブの一部は好きだけど、アルバムトータルとしては難解というか、アンタしか理解できんだろう?的な思いもあった。
インパルス!前の超イケてる、コルトレーンのジャイアントステップ(コード進行付)1959年
すごいコードチェンジ、転調で目で追うだけでもたいへん!
同時期のマイルスのコード進行しない浮遊するモードとは180度ちがう・・・
聴き始めた頃、アルトでコルトレーンのサル真似しようとしたけど、転で話になりません。まずもってソロ部分の数小節ですら正確に覚えられないくらい異質なもの。
コルトレーンは当時、数千枚のコード進行表をもっていて壁に張り、四六時中見ていたある種の偏執的行為から、独自に数学的なルールを素に組合わせて、コルトレーンビバップ的で誰も真似できない、技術的な高みまでいっちゃいますが、じっくり聴くとミストーンも在ったりしません?
コルトレーンこそ実は「テーマ」メロディに助けられていたと思います。。実験的なゆえにタドタドしていることももあり、難解なパズルな音から、音楽に戻る、そのときのテーマがクール!重厚でグルーヴするリズム隊がクール、、など。一方オーネットコールマンは、即興がメロディとも言える様な感じで覚えられるし唄える。ところがテーマがちょっとダサいものや笑えるフレーズも多い。
コルトレーン、、ここまでは理解できるけど、インパルスの後半は、アフリカのリズム(和声じゃない感じの)と東洋思想をバックボーンにモード奏法やコルトレーン独特の即興的を思わせる、実は理詰めのインプロビゼーション、フリーキーな音、コードチェンジを延々続けられるとキツイです。。。
普段は丸っこい重いピアノであまり好きではなかったけど、マッコイタイナーがまだいた時は、彼のソロに入ると安心したりしました。。
菊池さんの解説では、、、
この曲は、ビバップの複雑化・高速演算化の一つの頂点とも言える楽曲構造を持っています。具体的には、2拍ごとに細かい転調が繰り返されるのですが、このコード進行上でアドリブ・ソロを取るのは至難の技で、このテイクでピアノを弾いている、トミー・フラナガンも、全然付いて行けません。
この転調というのは、具体的には、B⇒G⇒Eb⇒といったように進んでいます。音楽、私達が、鍵盤等で把握出来る範囲の音楽ですが、というのは、12の音による、12素数による非常に、数学的な体系で構築されていて、それぞれの音程間の隔たりは、度数(DEGREE)という単位で表します。短2度、長2度、短3度、長3度、減4度、完全4度、増4度、といった言葉ですが、ある基になる音(ここでは仮にCとしておきます)から4度(完全4度)上がF、その4度上が、Bbといった順番で、(C⇒F⇒Bb⇒Eb⇒Ab⇒Db⇒Gb⇒B⇒E⇒A⇒D⇒G⇒C)時計の文字盤の数字に、右廻りに当てはめて行くと、[4度圏表/Circle of forth]というのができます。クラシックでは、[5度圏表/Circle of fifth]これは、4度圏表を逆方向に裏返すと(C⇒G⇒D~)良いのですが、この表を基本として、和声や調の流れや構造を考えていく事が、楽理の学習においては、非常に重要です。」
⇒1950年代後半に、こんな事を考え、実演でき、音源を残したのはコルトレーン以外いなかった!?たぶんいない。
他のビバップ、フリー系のミュージシャンはこうではなかったと思われる。
ジャイアントステップのテーマ~ソロ~ピアノのコード進行
|B△7 D7 |G△7 Bb7 |Eb△7 |Am D7 |
|G△7 Bb7 |Eb△7 Gb7 |B△7 |Fm Bb7 |
|Eb△7 |Am D7 |G△7 |Dbm Gb7 |
|B△7 |Fm Bb7 |Eb△7 |Dbm Gb7 |
▼なにしろ、いっぱい書いてあります。原稿のように・・・ちょっとした、早口言葉だと思われるw
コードの細分化、再構築化、と言えば、チャーリーパーカーですが、
コンファメーションのコード進行
|F |Em7-5 A7 |Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb7 |Am D7 |G7 |Gm C7 |~
チャーリーパーカーの1秒は他の人の3秒ぐらいあったと言われる、最悪なジャンキーなので
いっぱい吹けて、自分自身への視点が多角的にあった状態でのプレイは、
まさに神業だったのかもしれない。たぶん、音源として残っていない演奏の方が無茶苦茶多く、
良かっただろうことは想像できる。
僕の感想はコルトレーンは唄わない。パーカーは支離滅裂な天才
コルトレーンのソロは楽理的には非常に高度らしく、現代音楽の作り方の基礎とも言える?ような数学的に突き詰めた感があるようだ。。。
同時期のオーネットコールマンの胡散臭さや「まぐれ」はありません。
最近よく聴くパットメセニー。ジャイアントステップ
Pat Metheny - Giant Steps
サックスの人は不思議でよくわからない音、演奏だけど、
パット・メセニーの演奏、解釈、チャレンジは素晴らしいと思います。凄いテクニック!
The European Tour /John Coltrane
1. The Promise
2. I Want to Talk About You
3. Naima
4. Mr. P.C.
by kuramae2010
| 2011-02-23 01:15
| jazz